- 2019年10月17日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラン
- トピック:女性の権利
イランは、10月10日のワールドカップ・アジア予選のカンボジアとの一戦で、女性のサッカー観戦を許可した。しかし、試合が行われるスタジアムの収容人数約8万人に対して、女性に割り当てられたのは3,500席にすぎなかった。
今年9月、サッカーを観戦しようと男装してスタジアムに入ろうとして逮捕された女性が焼身自殺を図った事件が世界の注目を集め、国際的な非難を受けた。カンボジア戦は、事件以降で初めての試合である。
イランは今回、少数の女性にしか観戦を認めなかった。全面解禁には、ほど遠い。これでは、国際社会の非難を受けて悪化した国のイメージを改善するためのパフォーマンスとしか映らない。焼身自殺した女性に泥を塗る行為であり、制限の撤廃を求めて運動してきたすべての女性に対する侮辱である。
イランは、女性のサッカー観戦制限を、国内戦、国際試合を問わず、全面的に撤廃するべきである。また、FIFAを含めた国際社会も、全面解禁の実現に向けた取り組みをすべきである。
これまでFIFAは、イランに対し全試合で女性の観覧を認めるべきだとの見解を繰り返し表明してきた。にもかかわらず、イランは、制限解除をしてこなかった。
FIFAには、その活動を通して人権尊重を普及させる責任があり、イランのこの女性差別の問題に対して、思い切った措置を早急に取る権限がある。
2018年以来、サッカー競技場に入ろうとしたかどで40人以上の女性が逮捕され、一部は起訴された。
アムネスティはイラン政府に対し、制限撤廃を求める女性たちの摘発をやめ、起訴されている人たちの起訴を即時無条件に取り下げるよう求めている。
アムネスティ国際ニュース
2019年10月9日
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