- 2019年12月18日
- [公開書簡]
- 国・地域:イラン
- トピック:
2019年12月18日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
外務大臣 茂木 敏充 殿
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 中川 英明
ローハニ・イラン大統領訪日に際し
イラン市民の生存権及び表現・集会の自由の保護を求める要請書
イラン・イスラム共和国では、平和的な抗議デモに参加する一般市民に対して治安部隊が過剰な暴力を行使し、少なくとも304人の死者や1,000人以上の逮捕者が出ています。国際法違反の殺害と集会・表現の自由の暴力的な抑圧について、イラン当局による責任ある対応を求めるよう、アムネスティ・インターナショナルは国際社会に対して働きかけています。
イランと良好な関係を維持してきた日本政府には、イラン当局に対して直接に有効な働きかけができるものと期待が寄せられています。そこで、今月予定されているローハニ大統領の訪日に際し、日本政府からイラン当局に対して以下の3点を要請していただきますようお願い申し上げます。
- 恣意的に拘束されているすべての人たちを、直ちに無条件で釈放すること
- 拘束されている人たちが虐待や拷問を受けることなく、家族及び私選弁護士との面会が確保されるよう保障すること
- 国連の任務保持者(mandate holders)が事実調査を実施できるよう、収容施設や刑務所、そして被害者遺族へのアクセスを直ちに可能にすること
アムネスティ・インターナショナルは、イラン国内外から入手した動画、目撃証言などを基に、平和的なデモ隊に対して治安部隊が過剰な力を行使し、イラン各地で多数の死傷者や逮捕者を出していることを明らかにし、2019年11月19日のプレスリリースで公表しました。また、続く11月25日、12月2日及び12月16日のプレスリリースでは、市民の死者が少なくとも304人に達したこと、そのほとんどが治安部隊が銃器など殺傷能力がある武器を使用したために起きたものであることを発表しました。さらに、15歳の子どもを含め何千人もの一般市民、ジャーナリスト、学生らが逮捕されたことを明らかにして、急増する死者数や逮捕者数は、治安部隊が殺傷もいとわない非情な行動をとっていることによるものだと強く非難しました。
アムネスティ・インターナショナルが発表したプレスリリースを同封いたします。ご高覧いただき、ローハニ大統領来日の際には、上述の要請についてご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。
以上
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