サウジアラビア:少年事件だけでなく死刑全廃を

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2020年5月 1日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:サウジアラビア
トピック:死刑廃止

(C) Amnesty International
(C) Amnesty International

サウジアラビア当局は4月26日、テロ取締法違反を除き、犯行時18歳未満の者に対する死刑の適用をやめ、最高10年の刑に置き換える計画だと発表した。

まだ正式に王室政令は出されていないが、計画が実施されれば大きな前進ではある。しかし、それだけでは十分ではない。同国は毎年多くの人を処刑しており、昨年は過去最多となる184件の死刑執行があった。アムネスティは、死刑という残酷で非人道的、品位を傷つける究極の刑の全面廃止を、強く求める。まず、その第一歩として、死刑執行を公式に停止する措置をとるべきである。

サウジアラビアは、犯行時18才未満の者に対する死刑の適用を禁止する国際法を、長年、無視してきた。アムネスティは、未成年時に逮捕され死刑判決を言い渡された、少数シーア派教徒3人の判決取り消しを訴えてきた。裁判は極めて不公正なもので、以来、3人の若者はいつ処刑されるかわからない状況に置かれている。

また、アムネスティが得た情報では、王室政令ではテロ取締法違反の犯罪は今回の措置から除外されるとのことだが、同法の下での代替刑は明らかになっていない。同国は、これまで定義があいまいな「テロ」を恣意的に解釈して、テロ取締法を乱用してきた。また、同法には、表現の自由を取り締まる多数の条項が含まれているのも問題である。

今回の発表の数日前には、最高裁判所が下級裁判所に対して、むち打ち刑をやめ禁錮刑または罰金の適用を命じた。飲酒や性犯罪などシャリアが禁止する行為に必ず科されるむち打ち刑も廃止されるのかは、まだわかっていない。

少年法

今回の発表内容は、2018年に発布された少年法に基づく。少年法は、裁判官の裁量で15才未満の者に死刑を科すことを禁止した。だが、例外として、シャリア(イスラム法)においてクルアーンに刑罰の内容が明記されている(と法学者が解釈する)厳しい固定刑(ハッド刑)、加害者に被害者と同等の苦痛を与える報復刑(キサース刑)は残ったままであり、子どもの権利条約の義務に違反している状況は続いている。

当局の発表は、現行の少年法から一歩前進といえるが、今後施行される法令には、未成年者の除外を明確に定めていなければならない。

背景情報

世界的に見ると、死刑執行数が減少傾向にあるにもかかわらず、昨年、サウジアラビアは、184人に死刑を執行した。この数字は、アムネスティが記録してきた2000年以降の同国の数値としては、過去最多である。

アムネスティ国際ニュース
2020年4月27日

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