コンゴ民主共和国:鉱山汚染 新生児に先天異常リスク

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2020年5月19日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:コンゴ民主共和国
トピック:

(C)Amnesty International y Afrewatch
(C)Amnesty International y Afrewatch

コンゴ民主共和国のコバルトや銅の鉱山労働者の子どもは、先天異常を持って生まれてくるおそれがある。ルブンバシ大学(コンゴ民主共和国)、ルーベン・カトリック大学(ベルギー)、ゲント大学(ベルギー)の3大学による合同調査でわかった。

2015年、アムネスティは同国の鉱山を初めて訪れた。同国の鉱山を訪れてまず衝撃的だったのは、汚染があまりにもひどいこと、そして、国も企業も、汚染防止や労働者の保護対策にほとんど関心がないことだった。

労働者は子どもも含めて、手袋やマスクなど最低限の保護具さえ着けずに採掘していた。鉱山労働者は、汚染から逃れようがないのだ。複数の人が、のどや肺の痛み、尿路感染の症状を訴えた。ある村の住民は、飲料水として使用される水路の水が、選鉱施設からの排水で汚染されている様子を見せてくれた。

カタンガ州では、100年以上も採掘が行われていながら、汚染の影響に関する調査が、ほとんど行われてこなかった。そうした中で、3大学による調査は、労働者の健康被害は、子どもの世代にまで受け継がれる負の遺産になり得ることを示唆した。

これを契機とし、当局は早急に汚染の影響を調査し、鉱山労働者の健康管理に力を入れるべきだ。鉱山環境と労働者の健康を守っていく上で、各種規制の一層の強化も不可欠だ。

一方、鉱山事業で収益を得る企業は、人と地球に害をなす汚染を防ぎ、人権を尊重する責務を果たさなければならない。鉱山開発で被害を被った人たちへの補償も求められる。鉱業事業による収益は、地元の人たちにも還元されるべきだ。

アムネスティ国際ニュース
2020年5月6日

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