- 2020年6月 4日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:
© 2020 Getty Images
ミネアポリスで5月25日、ジョージ・フロイドさんが警官に取り押さえられ、呼吸ができなくなり亡くなるという痛ましい事件があった。首をひざで押さえ続けられている様子が、市民が撮った動画に写っていた。
警官に自分の命を断たれるかもしれない。朝目覚めたとき、そんな不安に襲われるようなことがあってはならない。しかし、米国では、肌の色が違う人、特に黒人の人びとは、痛ましい事件の記憶を抱えて生きてきた。
ミネアポリスの警官の行為は、すでに多くを失った人びとをさらなる恐怖に陥れることになった。
エリック・ガーナーさんは6年前、ニューヨーク市警本部で「息ができない」と訴えながら亡くなった。この時、警官たちは、被疑者の悲痛な叫びに耳を傾けなければならないという教訓を学んだはずだった。しかし、そうではなかったようだ。
フロイドさんは、かけがえのない命を失った。エリック・ガーナーさん、マイケル・ブラウンさん、アカイ・ガーリーさん、タミール・ライスさん、ブレオンナ・テイラーさん......。名前を上げれば切りがない。
市民の生命を守るのが、警察である。この大原則が、黒人の人間性を否定する警官たちに踏みにじられている。死に至らしめるような過剰な力の行使は、必ず裁かれなければならない。
連邦捜査局(FBI)が事件の捜査に乗り出したことは、適切だ。アムネスティは、迅速で徹底した真相解明と適切な捜査情報の遺族への開示を求める。
また、死に至るような力の行使を制限する法整備も不可欠だ。
アムネスティ国際ニュース
2020年5月26日
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