ネパール:当局は先住民族強制立ち退き停止を

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2020年7月27日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ネパール
トピック:先住民族/少数民族

(C) Picture Courtesy Bibek Pokhrel, Naya Patrika, Nepal
(C) Picture Courtesy Bibek Pokhrel, Naya Patrika, Nepal

ネパール当局は、同国で最も差別されてきた先住民族の一つ、チェパン族の強制立ち退きを直ちに停止し、家屋の取り崩しを指示した責任者の責任を問わなければならない。

7月18日、ユネスコ世界遺産のチトワン国立公園で、チェパン族の居住地が国立公園当局の襲撃を受け、家屋10戸が破壊された。この突然の襲撃で、チェパン族の人たちは、家ばかりか、金銭や身分証明書などの所持品すべてを失った。

家を追われた一人がアムネスティに語ったところによると、当局は象を連れて農地にしている土地に入り込み、農作物を踏みつけながら家のほうに近づいてきた。そして、2軒の家屋に火を放ち、8軒を象に突進させて破壊した。

国立公園当局は、地元自治体への事前説明もなく、非情な強制立ち退きを執行したもようだ。近くの学校の寄宿舎に避難したチェパン族の人たちは、国立公園内の他の居住地で生活する仲間も同じ目にあうのではないかと気が気ではない。

6月には、バルディヤ国立公園の居住地で生活するタルー族が、当局の強制退去を受けており、国立公園当局による先住民族の強制立ち退きは、今回で2度目だ。

チェパン族の人たちは自分たちの土地を持たず、先祖伝来の土地を居住地として自給農で生活する。

ネパールの法律では、「所有する土地の上」に住む者だけが保護され、非所有者は強制退去に対して適切な保護措置が保障されていない。これは国際基準を満たしていない。

ネパールでは今、新型コロナウイルスの流行と雨季が重なり、だれもが住処を必要としている。そんな時期に、苦難を背負ってきた先住民族を強制的に排除し、ホームレスにするのは、決して許されることではない。

ネパール当局は、住むところを失った人たちに対して、代替住居の提供や補償などの救済措置を取るべきであり、強制退去を指揮した者の責任を問うべきだ。

また、適切な住居と生活の糧を得る権利を含めた、先住民族の人権の保護に全力で取り組まなければならない。

背景情報

国際人権法は、住居や土地の占有者に対し、適正手続きや法的保護措置なく、その意に反して占有する住居や土地から退去させることを禁じている。保護措置には、立ち退きの代替案の提案、立ち退きの事前通知、救済、補償、代替住宅の提供などがある。

さらに、先住民族については、先住民族の権利に関する国連宣言第10条は次のように定めている。「先住民族は、自らの土地または領地から強制的に移動させられない。関係する先住民族の、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意なしに、また、正当で公正な補償に関する合意、そして可能な場合、帰還の選択肢のある合意の後でなければ、いかなる転住も行われない」

アムネスティ国際ニュース
2020年7月21日

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