米国:フロイドさん殺害の元警官に有罪

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2021年4月20日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
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© PHILIP PACHECO/AFP via Getty Images
© PHILIP PACHECO/AFP via Getty Images

ジョージ・フロイドさんの殺人罪などに問われていたデレク・チャービン被告に対し、陪審団は4月20日、有罪の評決を言い渡した。評決を受けて、アムネスティ・インターナショナル米国支部は、次の声明を出した。

陪審団は4月20日、警察活動の破綻を象徴する常軌を逸した警官の暴力に鉄槌を下した。

市民が、警官に出くわすと殺されるという恐怖心を抱くようことがあってはならない。だがフロイドさんはじめ、あまりにも大勢の人たちが、警察の実力行使で亡くなっているという現実がある。行き過ぎた力を行使した警官は、行為の結果がどうであれ、刑事責任を問われなければならない。今回のミネアポリスの裁判はその一例となった。

すべての市民に、法・安全・生命を平等に享受する権利があるが、法の執行を受ける際に差別を受けない権利もあることを忘れてはならない。

警察活動の問題を今回の裁判で終わらせてはならない。なぜなら、フロイドさんの悲劇は組織的な欠陥がもたらしたものであり、警察の暴力の矢面に立つのは、常に肌の色が黒や褐色の人たちだからだ。また、黒人を殺害した警官が罪を問われるのは、例外でしかない。

もちろん、どれだけの正義を果たしたとしても、フロイドさんが生き返るわけではない。

警官は、フロイドさんが動かなくなっているのに、卑劣にも彼の首を押さえ続けた。「やめろ」という周囲の声も無視した。チャービン被告は、フロイドさんの生きる権利を否定しただけでなく、彼の人間性をも踏みにじった。

これまで警官が肌の色が違う市民を殺害しても罪を問われることは極めてまれだった。私たちの我慢は、もはや限界だ。

不当で組織的な警察行為にメスを入れ、警官の過剰な行動の犠牲になってきた人びとに安全な社会を約束するには、まず、現状の法の執行の根底に人種差別があることを認める必要がある。

対応すべき課題は、複数ある。日常の法執行の規模と範囲の制限、違法な実力行使の被害者を救済する際に障壁となる免責制度の排除、法執行機関の非軍事化、武器使用制限の厳格化などだ。

アムネスティ国際ニュース
2021年4月20日

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