サウジアラビア:G20後に人権活動家への抑圧を強化

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2021年8月11日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:サウジアラビア
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(C) FAYEZ NURELDINE/AFP via Getty
(C) FAYEZ NURELDINE/AFP via Getty

昨年のG20議長国であるサウジアラビアでは、鳴りを潜めていた人権活動家や反体制派の投獄や死刑執行などが、G20終了後に再開され、急増している。

G20首脳会議が終わった昨年11月下旬以降、少なくとも13人が、訴追や不当な審理に基づく有罪判決を受けた。また、死刑執行数は昨年27件だったが、今年は、7月末までですでに少なくとも40件に達する。

G20 が幕を閉じ、世界が注目しなくなるや否や、サウジアラビアは、勇気ある意見や政府批判の容赦ない摘発を再開した。例えば、 特別刑事裁判所では、ツイッターで国の経済政策を批判した人権活動家が、実刑20年もの有罪判決を言い渡された。

首脳会議開催に伴う活動家らへの攻撃の小休止は、改革は幻想であり、単なる見せかけだったことを示している。

今年2月、ムハンマド皇太子は新法を施行し、現行の諸法を改正し、正義の原則と透明性を高め、人権を擁護することを約束した。女性に差別的な身分法ほか鍵となる4つの法律の改革案を打ち出したが、その後、関係当局からは、改革案についての詳細説明はないままだ。

人権状況が進展するどころではない。悪名高い反テロ法廷である特別刑事裁判所では、審理が再開され、不当な有罪判決が言い渡されている。平和的な社会運動で長期間投獄されていた少なくとも3人が、刑期満了にもかかわらず、別件で再度、逮捕・収監されたり、刑期が延長されたりしている。6月には、3年前に理不尽な死刑判決を受けたシーア派の男性が、処刑された。

特別刑事裁判所での審理はそもそも不公正で、被告人は、国内外の法律に違反する裁判手続きに直面する。多くの被告人は、独房で何カ月も隔離拘禁され、弁護人にも会えない。拷問で引き出された自白に基づき、長期の実刑判決を言い渡される。時には死刑判決も受ける。

2月には、平和的な社会運動と反政府抗議デモに参加した人権活動家が、実刑8年と渡航禁止8年を受けた。4月には、女性が運転する権利を求める運動の支援者が、実刑6年と渡航禁止6年を言い渡された。また同じ4月、ツイッターで国の政策を風刺した人道支援の女性活動家が、実刑20年と渡航禁止20年の判決を受けた。いずれの容疑も、平和的意見の表明を違法とする、あいまいな反テロ条項に基づいている。

よく知られた女性活動家、ルージャイ・アル=ハスルールさん、ナシマ・アル=サダさん、サマル・バダウィさんも同様だ。長い刑期を満了して釈放されたものの、渡航は認められず、再逮捕されるおそれもある。

釈放時には、人権活動や公の場での発言、SNSを利用しないなどと誓約する書類に署名させられる。このような誓約書への署名の強要は、表現、結社、平和的集会の自由の権利の侵害にあたる。

昨年の死刑執行は、前年比85パーセントも減り、27件だった。だが、27件中、9件がG20首脳会談後の12月だったことで見て取れるように、首脳会議後に執行を再開した。執行の勢いは今年に入っても続き、1月から7月までで少なくとも40件の処刑があった。すでに前年を大幅に上回っている。多くの場合、拷問で引き出されたとされる自白に基づく不公正な裁判で、死刑判決を受けている。

サウジアラビアは、法制度と人権対応への改革を進めるというが、極めて限定的であり、改革の成果を期待しようもない。

アムネスティは国連人権理事会に対し、サウジアラビアの人権状況を監視・報告する機構の設置を強く求める。

もし、サウジアラビアが、真摯に人権尊重に向き合うならば、まず、人権を平和的に行使しただけで拘束されているすべての人権活動家を即刻、無条件で釈放し、有罪判決を取り下げるべきだ。

アムネスティの調査によると、人権活動や国への批判的意見で現在、少なくとも39人が投獄されている。

アムネスティ国際ニュース
2021年8月3日

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