ミャンマー(ビルマ):弾圧されるミャンマー市民 〜私たちができること〜

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2021年8月25日
[ブログ]
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:表現の自由

ミャンマーでクーデターが発生した2月1日から200日の間に、ミャンマー軍は1,000人以上を殺害しました。子どもにも容赦はなく、5歳の男の子も殺されています。今も5,700人以上が不当な拘束で自由を奪われています。22万人以上が住み慣れた場所からの移動を余儀なくされ、衣食住がままならない生活を強いられています。職を失った人は120万人に上ります。

ミャンマー市民への残酷な弾圧を続けるミャンマー軍に対して、国際社会は非難の声こそ上げてはいますが、各国の足並みは揃わず、いまだ事態を打開できるような措置はとられていません。ミャンマー軍によって人権を奪われた人は増加の一途をたどっています。

奪われるミャンマーの人たちの自由

ミャンマーで著名な女性人権活動家、ティンティンアウンさんも不当に拘束され、ミャンマー軍によって人権を奪われたひとりです。共同で設立したメディアの報道がきっかけでミャンマー軍に敵視され、起訴されてしまいました。

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©︎ Hseng Noung Lintner

ティンティンアウンさんは、「ミジマ」というニュース局の共同創業者兼ディレクターとして、平和、平等、人権の大切さを伝えてきました。現地の団体や国際的な女性の権利団体と協働し、女性の権利やフェミニスト運動の活動家としても活躍。また、クーデター以前から、メディアや市民社会と協力しながら警察機構再編に向けた活動に関わっていました。

3月8日、警察はミジマ社に対して、メディア媒体の発行と報道に関する認可をはく奪すると通達しました。

3月27日、警察 は「ミジマ社が(上記の)警察の通達に従わなかった」として、裁判所に訴えました。ミジマ社が大衆の不安と恐怖を煽り、任務中の警備部隊に対する攻撃を誘発するために誇張した情報や嘘の内容を報道・発行しているとして、ティンティンアウンさんたちに対する責任追及を求めたのです。

4月8日の朝、ティンティンアウンさんはヤンゴンの自宅の外で逮捕されました。そして、その日のうちに尋問センターに連行され、そこで2週間に渡って拷問されました。

彼女は、「恐怖を巻き起こし、虚偽のニュースを拡散し、政府職員に対する直接的、間接的な刑事犯罪を煽った」罪で起訴されました。有罪となれば最長で懲役3年または罰金を課されることになります。

裁判は4月22日から始まり、今も拘束と取り調べが続いています。

また、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、過密な刑務所での拘束は、危険と常に隣りあわせです。喘息の慢性疾患を抱えているティンティンアウンさんは特に高いリスクにさらされています。ミャンマーの刑務所ではさまざまな仕打ちで拘束中の人が亡くなる事例も数多く報告されており、その点も懸念されます。

平和的に、当然の権利を主張しているだけなのに

国軍はデモに参加した市民や、周辺にいただけの市民を殺害してきました。そして、集会・結社・表現の自由を行使しただけで活動家、人権擁護者、メディア関係者、医療従事者、芸術家、政治家たちを逮捕、抑留、起訴し、禁錮刑にしています。

市民がデモなどに参加し、平和的な手段で国や軍を批判するのは当然の権利です。法執行機関がすべきことは、警察であれ軍であれ、市民が平和的に抗議する権利を認め、その権利を保護することのはずです。治安部隊が、デモ参加者に危害を加えたり、殺傷力のある武器を使用するということは、あってはならないことです。平和的なデモを規制するのであれば、合法的であり、目的に対して相当かつ必要な措置でなければなりません。

治安部隊は、平和的なデモ参加者に向けた無用な武力の行使を直ちにやめ、不当に拘束した市民全員を解放するべきです。

国際社会の対応

ミャンマーの現状に対して、国際社会はどのように対応しているのでしょうか。

6月18日、ミャンマーに関する国連総会決議が賛成多数で採択されました。決議では抗議デモ参加者への弾圧などを強く非難するとともに、恣意的に拘束されている人びとの解放や、ミャンマーへの武器の流れを防ぐことなどを求めています。国連総会決議は、国際社会としての総意を示す重みのあるものですが、法的拘束力はありません。

また、国連安全保障理事会もこれまでに何度も会合を行なっています。ただ、ミャンマーへの包括的な武器禁輸措置や経済制裁などを国際的に実施しようとする欧米諸国と、一貫してミャンマー内政には諸外国が干渉すべきではないと主張するロシアと中国との意見の相違により、協議は行き詰っています。ミャンマーに武器を輸出している主要国である中国、ロシア、インドの思惑も相まって、有効な圧力となるはずのミャンマーへの国際的な武器禁輸措置は実現されないままです。ミャンマー軍は戦場用の武器までも使用して市民を殺害しているにもかかわらず・・・。

ミャンマーが加盟している東南アジア諸国連合(ASEAN)は、ミャンマー軍との対話を通して仲裁の役割が期待されていました。ところが、ブルネイ、カンボジア、ラオス、タイが6月18日の国連総会決議の採択を棄権したりと、ASEAN加盟国内でも干渉の是非に関して温度差があり、足並みはそろいません。また、ASEANは、武器禁輸を支持するどころか、この国連総会決議草案から文言の削除を求めていました。これではミャンマー軍への圧力は十分とは言えません。対話に人を殺すための武器は必要ないはずです。

国際社会の一員として私たちができること

一刻も早くミャンマー軍の弾圧を終わらせるためには、まずはこれ以上ミャンマー軍へ武器が渡らないようにしなければなりません。また、弾圧に使われている資金源を断つための金融制裁も欠かせません。さらには、国際法上の犯罪や、重大な違反行為の疑いのあるミャンマー軍関係者が罪に問われなければ、人権侵害の悪循環から抜け出すことができません。これら3つのことすべてを実現できるのは、国連安全保障理事会です。また、日本を含む各国政府が、具体的な制裁をミャンマー軍に科すことや、ミャンマーの人たちへの人道支援を強化することによって、いままさに起こっている人権侵害に歯止めをかけることができます。

そして、「国際社会はミャンマーにおける人権侵害を懸念している」という声を、私たち一人ひとりが上げ続けることがもっとも重要です。ミャンマー国内では、ティンティンアウンさんのように、軍にとって都合の悪い情報を発信しようとすると、ミャンマー軍に不当に逮捕・拘束されてしまいます。市民の表現の自由が奪われた今、ミャンマーから発せられる情報は、軍にとって都合のよいことばかりです。このまま一人ひとりのミャンマーへの関心が徐々に失われてしまっては、国際社会の目を欺こうとするミャンマー軍の思惑通りになってしまいます。

国際人権NGOとして、アムネスティ・インターナショナルでは世界中で署名を行なっています。武器の禁輸や制裁措置の支持、ミャンマーの人たちに対する人道支援の強化などを、日本政府をはじめ、国際機関や各国政府に要請します。

残虐な弾圧に屈せず、ミャンマーの人たちは闘い続けています。彼らのために声を上げてください!

今、あなたにできる署名

ミャンマー軍の過酷な弾圧を今すぐ終わらせて!

ミャンマー軍の過酷な弾圧を今すぐ終わらせて!

国際的に協議が進んでいる武器の禁輸や制裁措置の支持、ミャンマーの人たちに対する人道支援の強化などを、日本政府をはじめ、国際機関や各国政府に要請してください。残虐な弾圧に屈せず、ミャンマーの人たちは闘い続けています。彼らのために声を上げてください!

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