バングラデシュ:少数派ヒンズー教徒らを暴力から守れ

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2021年10月26日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:バングラデシュ
トピック:

バングラデシュで、少数派ヒンズー教徒の最大の祭りドゥルガ・プジャで、ヒンズー教徒の家や寺院が襲撃を受けた。襲撃は、祭りが終わった後も続いた。

多発する襲撃は、国内で少数派宗教に対する嫌悪が高まっていることを示す兆候だ。こうした少数派宗教の個人やコミュニティーに対する襲撃、信者の家屋や宗教的建造物の破壊は、何年にもわたり繰り返し発生しており、国が少数派の人びとを保護する義務を果たしていないことは明らかだ。

宗教的感情を刺激して社会の緊張を煽るのは、重大な人権の侵害であり、政府は、この宗教的緊張を鎮めるために毅然とした行動を即時に起こす必要がある。

アムネスティは、当局に対して少数派の人びとを守る措置を緊急に取り、被害者を救済するよう求める。また、公正で透明性ある捜査を徹底し、容疑者を公正な裁判で裁かなければならない。

背景情報

10月13日、南東部の都市クミッラで襲撃が始まった。プジャ・パンダル(宗教的儀式のため一時的に作られる像)に置かれていたイスラムの聖典コーランの抄本が侮辱されたという噂がソーシャルメディアで流れた。この書き込みの拡散がきっかけとなり、宗教間の衝突にまでに発展し、これまでに少なくとも7人が亡くなり、数百人が負傷した。

10月17日には、北部ラングプールのヒンズー教徒地区で家屋や店舗など少なくとも25棟が放火されたと地元メディアが伝えた。治安当局は、攻撃が続くおそれがあると警戒を呼びかけている。

10月18日、やまない暴力に業を煮やしたダッカ大学の教職員が、市内の主要な交差点の一つを封鎖した。

放火事件は過去にもあった。

2012年、コーランを中傷する投稿がきっかけとなり、少なくとも6つの寺院と数軒の家屋に火が放たれた。

2016年には、南東部のナシルナガルで、イスラム教が侮辱されたという投稿が引き金になり、ヒンズー教徒の家屋や事務所、寺院など数百軒が放火される事件があり、8事件で数千人が起訴された。

バングラデシュ全土で少なくとも46の放火・襲撃事件に関わったおよそ1万人が、暴力や破壊行為などの罪で起訴されている。

アムネスティ国際ニュース
2021年10月18日

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