中国:国連人権理事会 ウイグル自治区に関する討論を否決

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2022年10月12日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:

国連人権理事会は、10月6日、中国の新疆ウイグル自治区での人権問題を討論するよう求める動議を否決した。47の理事国のうち19カ国が反対、賛成したのは17カ国で11カ国が棄権した。

今日の投票は、被害者ではなく、人権侵害の加害者を保護するものであり、国連の主要な人権機関が、国連自身の人権事務所の調査結果を無視するという呆れた結果である。

国連人権高等弁務官による最近の新疆ウイグル自治区に関する報告書は、中国政府が同地区で行った人道に対する罪やその他の深刻な人権侵害に対処する上で重要な一歩であったが、この否決で国連は二歩後退してしまった。

人道に対する罪が行われた可能性があると国連自身が指摘している状況について、討論することにすら人権理事国が反対票を投じたことは、あらゆる場所で人権侵害の犠牲者を保護するという人権理事会の中核的使命を侮辱するものである。

中国政府による残虐行為を目の前に理事国が沈黙し、あまつさえ議論を妨害するとは、人権理事会の評判をさらに悪化させるものだ。政治的、経済的利益を深刻な人権問題に優先させてはならないし、どんな国家も人権理事会の監視から逃れられるようなことがあってはならない。

今回の投票結果には深く失望させられたが、犠牲者とその家族のために正義と真実を求める戦いは終わってはいない。今回は僅差で否決されたが、国連人権理事会の理事国がこの投票を早急に再検討し、新疆ウイグル自治区の人権状況を注視し続けることが重要である。

アムネスティは今回の結果にかかわらず、国連の専門家や人権高等弁務官事務所による新疆地区の人権状況の精査を継続することを期待するとともに、今後も責任追及を求め続けていく。

背景状況

国連人権高等弁務官事務所が8月、新疆ウイグル自治区で人道に対する罪が行われた可能性があるという調査結果を出したにもかかわらず、国連人権理事会の理事国は、同地区の人権状況を、来年3月の次回定例会合で討議するよう求める動議に反対した(賛成17、反対19、棄権11)。

人権高等弁務官事務所の報告書は性暴力やジェンダーに基づく暴力、拷問や虐待などを挙げ、「ウイグル人など大多数がイスラム教徒の民族の恣意的、差別的拘束は、人道に対する罪になる可能性がある」と指摘した。

2017年以降、「テロとの戦い」の名目で中国が行ってきた、ウイグル人やカザフ人など新疆ウイグル自治区に住む大多数がイスラム教徒の少数民族に対する弾圧については、広範な記録がある。2021年、アムネスティは包括的な調査報告書を出し、中国当局によって行われた国家ぐるみの集団監禁、拷問、迫害が人道に対する罪に相当することを明らかにした。

アムネスティ国際ニュース
2022年10月6日

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