- 2023年12月10日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:
米国は、被占領パレスチナ地域とイスラエルにおける即時停戦を呼びかける国連安全保障理事会の決議案に拒否権を行使した。
ガザ地区での多数の死者、広範囲にわたる破壊、前例のない人道危機を前に、米国は、パレスチナ市民の苦難を無情にも無視する姿勢を示した。
米国は恥ずかしげもなくその拒否権を武器として行使し、国際平和と安全を維持することが責務の国連安保理の信頼と能力を力ずくで傷つけた。
市民の多大な流血を止めるための安保理の意義ある行動をいつまでも阻止することは、まったく正当化できない。拒否権行使は道義的に許されず、残虐な犯罪を阻止し、国際法を守る米国の義務を放棄するものだ。
停戦決議の採択は、ガザの大規模な人道的苦難を終わらせ、人質の帰還を後押しし、地域で高まる緊張を和らげるものだ。米国はこの採択を阻止した上に、殺りくの武器弾薬をイスラエルに移転し続けている。
拒否権を行使した唯一の国として、米国は、世界的な指導力の欠如とこの瞬間の歴史的重要性に対する無理解を示した。米国は世界の大半と自国民の大部分からも孤立することになった。
米国は、ルールに基づく世界秩序を支持すると称するが、このあからさまなダブルスタンダードと国際法無視が及ぼす影響は、ガザでの大惨事にとどまらない。紛争下で民間人を保護する国際システムはすでに弱体化しつつあるが、それをさらに進めるものだ。 1千万を超す人びとの運動体として、アムネスティは世界のすべての人びとに、今こそ行動し、それぞれの自国政府に働きかけ、すべての人を保護する国際法の存在を示し、継続的な停戦で大虐殺を終わらせるよう強く求める。
すべての人の権利に基づく未来の土台を築き、アパルトヘイトに終止符を打ち、犠牲者への正義と補償を実現する上で、人間性の回復は前提条件だ。
背景情報
国連安保理ほぼ全加盟国が、決議案に賛成票を投じた。ただ、米国は拒否権を行使し、英国は棄権した。
アムネスティ国際ニュース
2023年12月8日
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