日本:ウィシュマさんの動画開示請求に対し国際人権法の遵守を強く求める

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2025年9月30日
[日本支部声明]
国・地域:日本
トピック:日本の難民・移民

2021年3月6日、スリランカ出身のウィシュマ・サンダマリさんは、名古屋出入国在留管理局の収容施設内で命を落としました。体調不良を繰り返し訴えながらも、必要な医療へのアクセスを拒まれた末の死であり、日本の入管制度に根深く存在する人権侵害の構造を浮き彫りにした事件でした。それから4年が経過してもなお真相は十分に明らかにされず、責任も問われていません。

2025年2月、ご遺族は、事実解明と説明責任に不可欠な証拠として、ウィシュマさんの最期を記録したビデオ映像の全面開示を名古屋出入国在留管理局に求めました。しかし、入管側はそれを拒否しました。これを受けてご遺族は5月、国に開示を求める訴えを起こし、司法の場での政府の説明責任を追及し続けています。

国連人権理事会や国際NGOは、これまでも、日本の入管制度の人権侵害と透明性欠如を繰り返し指摘してきました。国際的な人権基準に背を向けるこのような日本政府の対応に対し、アムネスティ・インターナショナル日本は、あらためて以下を強く要求します。

  1. ウィシュマさんの死に関する全映像を速やかに全面開示し、独立した第三者による徹底した調査を行うこと。
  2. 入管収容の目的を限定し、期間に上限を設け、司法審査を導入するなど、国際基準に沿った制度改革を行うこと。
  3. 命や自由を脅かされる国への送還を禁止する「ノン・ルフールマン原則」を厳格に遵守すること。

同様の悲劇が二度と繰り返されないよう、日本政府は透明性と人権を軸とした抜本的改革にただちに着手し、国際人権法に基づき責任を果たすことを強く訴えます。また同時に、国際社会に対しても、日本政府に説明責任と制度改革を迫るよう呼びかけます。

 

2025年9月30日
アムネスティ・インターナショナル日本