- 2026年5月14日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:カナダ
- トピック:先住民族/少数民族

アムネスティは、カナダの先住民族の地域社会における住宅状況に関する2年間の調査結果を公表し、早急な対応を要する深刻な住宅危機の実態を明らかにした。
調査結果からは、適切な住居を確保する権利が尊重も実現もされていないことがみてとれる。象徴事例として挙げたマナワン(先住民族アティカメクの居住地である保留地)で暮らす人びとの住居は、適切という基準を満たしていない。さらに、教育や健康、プライバシー、安全、生命に対する権利も、尊重も実現もされていない。この状況は、女性、少女、子ども、高齢者に対する暴力の連鎖を永続させ、質が高く確かで安全な住居やインフラの欠如により、地域社会の大部分を貧困状態に留まらせる一因となっている。また、多くの人がホームレス状態に追い込まれている。
先住民族の地域社会には、家族や子どもたちのために明るい未来を築こうと願う権利がある。そのためにはまず、一人ひとりの成長と発展を支える生活環境が必要だ。適切な住居が見つからないという理由で、地域社会や家族を離れざるを得ないような状況に、誰も追い込まれるべきではない。適切な住居の権利は、カナダが批准している複数の国際人権条約により保障されている。カナダ政府は、その責任を果たさなければならない。
調査では、マナワンの多くの家庭が、特にカビの発生やしかるべく修繕が行われていないなど、不適切な住環境下で生活していることが明らかになった。また住環境が過密なため病気がまん延しやすく、プライバシーの余地や学習に適した空間がほとんどない。女性、子ども、高齢者に対する暴力につながる可能性もある。
マナワンにおける過密状態や一部の住宅の劣悪な状態は、地域への住宅供給が著しく不足していることに起因する。
マナワンの住宅事情は特異なものではなく、カナダの他の多くの先住民族の地域社会の状況を象徴している。2025年となった今でも、保留地内外を問わず全国で、先住民族は依然として劣悪な住宅環境下で生活している。カナダ抵当住宅公社(CMHC)の最新の報告書では、「先住民世帯が不十分な品質の住宅に住む可能性は、一般世帯の2倍以上である」とされるが、先住民族が植民地時代の政府機関に対して歴史的に抱いてきた不信感を考慮すると、これらの数値は過小評価されている可能性すらある。
「子どもを学校に通わせている若い親たちは子どもを連れて家から家へと転々としており、学びや成長に影響を与えていることは間違いないでしょう。自分たちの住まいがないため、子どもを学校に通わせることを優先させる余裕はないのでしょう。彼らの最優先事項は、『今夜はどこで子どもを寝かせるか』なのです」と、マナワンの教育担当責任者は述べた。
住宅不足は不平等や差別を生み出すと同時に、それを映し出すものでもある。人びとをホームレス状態にも追いやる要因にもなっている。アムネスティは、カナダにおける先住民族に対する構造的な人種差別や植民地政策の影響、保留地への慢性的な資金不足が、マナワンにおける住宅危機の主な要因だと考える。先住民族が差別を受けることなく尊厳を持って暮らし、自らの価値観や人生の目標に沿って充実した生活を送れるよう、迅速かつ実質的な措置が講じられなければならない。マナワンの首長は、抜本的な構造改革を求めている。
「先住民族コミュニティにおける住宅危機は、もはや容認することも、見過ごすこともできない構造的な不正義です。これに対処するには政治的勇気が――法律を根本から変革し、制度を再設計し、私たちの現実に即した持続可能な解決策に大規模な投資を行う勇気が、必要です。この危機は、単に住宅を建設することでは解決しません。私たちのコミュニティの基盤そのものを再構築し、その成長と自己決定を支援することが求められます。また、先住民族とカナダ社会との新たな関係の基盤を築くことも重要です。この関係は、尊重、公平性、そして責任の共有に基づくものであるべき。和解の時代において、何もしないという選択肢は、もうありません。今こそ、言葉から行動へと移り、具体的な措置を通じて、私たちの民族に尊厳ある住居という基本的権利を保障する時です」と、マナワン・アティカメク評議会の首長は語る。
政府は、部族評議会との緊密な連携のもと、不足分の解消と建設ペースの維持に向け、迅速かつ安定的・計画的に、複数年にわたる大規模な投資を行う必要がある。その際、建設コストの評価ツールに偏りが生じないようにすべきだ。障がい者のための住宅改修を目的とした特定のプログラムには、彼らのあらゆるニーズを満たすために十分な資金を投入し、ホームレス問題に対しては、先住民族の視点を取り入れて実態に即した資金援助プログラムを整備しなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2026年4月29日
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