パキスタン:ジャンムー・カシミールでの弾圧激化 抗議運動をテロ指定

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2026年6月10日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:パキスタン
トピック:表現の自由

ジャンムー・カシミール地域のうちパキスタンが実効支配する地域で、インターネット遮断、大規模な不当逮捕、死者を出すような武力行使など当局による暴力的な抗議弾圧が広範に行われており、地域の人権状況が悪化し続けている。

6月5日、同地域の当局は、2014年アザド・ジャンムー・カシミール反テロリズム法の第1附則に基づき、ジャンムー・カシミール合同アワミ行動委員会(JKJAAC)を「非合法組織」と指定する通知を出した。JKJAACは、パキスタンが実効支配するジャンムー・カシミール地域の人びとの経済的・政治的権利の実現を求める草の根運動だ。

当局はあいまいな根拠で草の根組織を「テロリスト」とレッテル貼りするとともに、同地域を外部から遮断しており、その行動と人権軽視の姿勢が、非常に懸念される。反テロ法に基づくJKJAACの指定は度を越した違法措置であり、結社の自由の侵害だ。

地域封鎖状態

6月5日、パキスタン政府は、実効支配するジャンムー・カシミール地域で7月27日に選挙を実施すると発表した。前月に議会構成をめぐる政府との交渉が決裂したJKJAACは、6月9日にストライキ実施の方針を示していたが、政府は選挙実施の発表と同日に、6月12日まで同地域におけるインターネット・携帯電話の通信を全面的に遮断した。

同じ日、当局は「外部者」に対し、6月5日から6月20日までの同地域への渡航を避けるよう勧告を出し、訪問者、特に観光客に対し、直ちに退去するよう指示した。報道によれば、連邦準軍事部隊も配備された。

ジャンムー・カシミールの域外からJKJAACと協力している活動家たちは、こうした措置により同地域が事実上封鎖され、内部からの情報入手が極めて困難になっていると話す。抗議活動について報道する人びとも当局の標的となっている。6月6日、同地域出身のジャーナリスト、ソラブ・バルカトさんは、自身のユーチューブ・チャンネルを通じてJKJAACを「宣伝」し「支持」したとして、2016年電子犯罪防止法の名誉毀損や虚偽情報に関する条項に基づき逮捕され、現在、勾留されている。

激化する弾圧

6月5日以降、当局はJKJAACの指導部やメンバーに対して残忍な弾圧を行っている。報道によれば、警察は6日と7日にJKJAACと関わりのある100人以上を逮捕し、7日にはムザファラバード市にある同組織の中央事務所を家宅捜索し、立ち入り禁止にした。

JKJAACの活動家シャヘズブ・ハビブさんは、6月5日の夜、警官と対峙中に撃たれた。報道によれば、彼はJKJAACのメンバーとともに車で移動中、車両を止められたという。シャヘズブさんが警官に対し、死や重傷の差し迫った脅威を与えていた様子はない。彼はその後、負傷が原因で亡くなった。

シャヘズブさんの遺体は検死のためにラワラコットにある軍病院に搬送された。6月7日に病院の外に集まった人びとと法執行機関が衝突し、警察によれば少なくとも抗議者8人と警官4人が死亡し、また抗議者50人と警官23人が負傷したと報じられている。

当局は、シャヘズブさんを超法規的に殺害した疑いについて独立調査を行うとともに、ラワラコットにおける抗議者の殺害についても独立調査を徹底して実施し、警官の死亡についても調査する必要がある。そして加害者は、国際人権基準に従って責任を問われなければならない。

パキスタン当局は、事態の沈静化に向け直ちに措置を講じ、自制を保ち、武力行使に関する国際基準を厳格に遵守し、武力行使は最後の手段としてのみ、かつ必要性と比例性の原則に従って行わなければならない。来る地方選挙を前に、パキスタンが平和的な集会を保証し、結社の自由の権利を制限しないことが極めて重要だ。その第一歩として、JKJAACに対する違法な禁止措置を解除すべきだ。

背景情報

政府とJKJAACとの交渉は、1947年以降パキスタンに定住した、インドが実効支配するジャンムー・カシミール出身の難民向けに地域議会で確保されている12議席の廃止要求をめぐるものだったが、5月下旬に決裂した。JKJAACは、時代遅れの規定であり、政党が地域政府の形成に影響を与えるために利用しているものだと廃止を求めていた。合意に至らなかったことを受け、JKJAACは6月9日に地域全域でストライキの実施計画を進めると発表した。

2024年と2025年にも、JKJAACの抗議活動に対する弾圧が行われている。2024年5月、アムネスティは、JKJAACによる大規模な抗議デモの最中に催涙ガスや致死的な武力が違法に使用され、抗議者3人と警察官1人が死亡したことを指摘した。2025年10月には、抗議活動中に、抗議者6人と警察官3人の少なくとも9人が死亡し、さらに数百名が負傷した。

アムネスティ国際ニュース
2026年6月9日

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