- 2026年9月30日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:

国際刑事裁判所(ICC)に対するトランプ政権の深刻化する攻撃は、制裁対象となった裁判官、検察官、人権団体をはるかに超えて広がっており、市民社会によるICCへの関与を萎縮させ、被害者が司法の救済を受けることを困難にしている。
この事態に対し、アメリカ・フレンズ奉仕団、憲法上の権利センター、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、オープン・ソサエティ・インスティテュートが、大統領令14203号に基づいて課された制裁の合法性を争う訴訟を起こしている。2026年9月22日、この訴訟を支持する38の国際的な市民社会組織は、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に法的助言者として意見書を提出した。制裁の対象となっているのは、ICCの検察官や裁判官、国連の人権専門家、3つのパレスチナ人権団体だ。
「ICCから遠ざけられたり、沈黙を強いられたりしている市民社会団体の先には、正義を待ち望む被害者がいる。トランプ政権の制裁は、被害者に寄り添い彼らの体験や証拠を裁判所に提出する人たちや団体のつながりを分断し、直接の標的となった人たちをはるかに超えて恐怖を広めている」と、国際人権連盟(FIDH)のアレクシス・デスワエフ会長は言う。「自国で正義が果たされなかった被害者にとって、こうした道が閉ざされることは、責任追及のための最後のチャンスを失うことを意味するだろう」
また、アムネスティのアニエス・カラマール事務局長もこう述べる。「トランプ政権がICC、そしてICCの活動を支える市民社会組織への攻撃を強める中、制裁が世界中の市民社会、国際法上の犯罪の被害者、ひいては国際正義という理念そのものにどのような害を及ぼしているかを、米国連邦裁判所に示すことが極めて重要だ。私たちは、トランプ大統領が『ローマ規程』を破壊することを、ただ座視して見過ごすつもりはない。この意見書を共同で提出した市民社会組織の数がこれほど多いことは、米国の制裁に反対し、ICCを守るという市民社会の不屈の精神と決意を物語っている」
市民社会組織による意見書の基本的な主張は、次の2点だ。第1に、制裁はICCの機能に不可欠な市民社会ネットワークを分断しているという点。弁護士、被害者代理人、被害者の支援者を含む市民社会組織や人権擁護者らは、ICCの活動に不可欠な幅広い役割を担っている。具体的には、被害者や証人をICCにつなぐこと、残虐な犯罪を記録すること、被害者の参加と賠償が受けられるようにする支援、重要な法的・文脈的・文化的な専門知識の提供、そしてとりわけICCの活動が制限されている国や地域において、国家との協力や国内での捜査・起訴を後押しすることなどだ。
第2に、大統領令14203号は、市民社会組織や個人の活動家に対して過酷な財政的・法的制裁を課し、あるいはその脅威を与えることで、彼らの表現の自由や結社の自由の権利を侵害しており、国際司法制度を支える協力体制やインフラに深刻な損害を与えているという点だ。大統領令14203号によって、指定対象団体はすでに資金や職員を失い、銀行取引ができなくなり、パートナーシップも保てなくなっている。市民社会組織はICCと関わることが難しくなり、多くの市民社会組織間の関係が断絶してしまった。その結果、市民社会だけでなく、ICCや国際刑事司法の仕組みそのもの、そして最終的にはその存在理由である被害者に対しても、具体的かつ回復不能な損害が生じている。
なお、共同意見書の提出はICCを支援する市民社会組織の連合体Coalition for ICCの事務局の協力を得て実現した。同事務局が出した米国の制裁に関する報告書『責任追及の犯罪化~国際司法制度に対する米国の法律戦争』は、重要な参照資料となった。
※38団体の名称は英語版でご確認ください。
アムネスティ国際ニュース
2026年9月23日
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