- 2026年9月29日
- [その他]
- 国・地域:米国
- トピック:ビジネスと人権

© ROBYN BECK/AFP via Getty Images
アムネスティ・インターナショナルは米国ネバダ州で進められているリチウム鉱山開発が、先住民族の権利を脅かしていると警鐘を鳴らしています。その一環として、オーストラリア企業が進める「Rhyolite Ridge Lithium-Boron Project (ライオライトリッジ・リチウム・ホウ素プロジェクト)」へのパナソニックホールディングズ株式会社(以下パナソニック)とトヨタ自動車株式会社(以下トヨタ)の関与について両社に調査結果と質問を送付しています。両社の回答を踏まえ、アムネスティは2026年6月と8月、パナソニックとトヨタのジョイントベンチャーである「プライムプラネットエナジー&ソリューションズ」(以下「PPES」、株主構成はトヨタが51%、パナソニックが49%)(*1)に質問書簡を送付しました。この文書では、アムネスティがPPES社に回答を求めた質問項目、および同社の回答について説明します。
ライオライトリッジ・プロジェクト向けに開山が予定されているこのリチウム鉱山は、まだ運用が開始されていません。しかし、プロジェクトは先住民族の自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)無しに進められていることがアムネスティの調査で確認されています。
▽ ネバダ州で進むリチウム採掘事業と関連する人権問題に関してはこちら
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質問と回答、これまでの流れ
2026年2月:パナソニック、トヨタへの質問
アムネスティは2026年2月、パナソニックとトヨタに対し予備調査結果と一連の質問を提示し、調査報告書の公表に先立って回答する機会を設けました。
パナソニックの回答に「PPES社に投資しているが、同社の日常的な経営活動には関与していないため、質問に対する具体的な回答は差し控える」旨記述があったため、PPESに質問を提示しました。
2026年6月:PPESへの質問
■アムネスティからの質問(パナソニック、トヨタへのものと同様)
- PPESは、リチウムの調達またはオフテイク契約の締結の条件として、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)の取得を義務付けていますか?
- ライオライトリッジ・リチウム鉱山では自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)が求められ、取得されているかどうかを評価・検証するために、PPESが実施しているデューデリジェンスプロセスについてご説明ください。FPICが求められていない場合は、その理由をご説明ください。
- PPESは、このプロジェクトに関連する潜在的な人権および環境リスクを特定し、対処するために、デューデリジェンスを実施しましたか?実施している場合は、事業活動およびその潜在的な影響に関する情報を先住民コミュニティへどのように共有しているかを含め、詳細をご説明ください。実施していない場合は、その理由をご説明ください。
- PPESは、このプロジェクトの影響を受けるコミュニティ向けに苦情処理メカニズムを設けていますか?設けている場合は、これらのメカニズムがコミュニティにどのように周知されているか、苦情がどのように処理され、対応されているかを含め、詳細をご説明ください。設けていない場合は、その理由を説明してください。
■PPESの回答(7月1日)
和訳文(参考・アムネスティによる和訳)
お問い合わせいただきありがとうございます。PPESでは、事業活動の基盤として、責任をもって人と社会に価値を提供することに重点を置いています。このコミットメントは、事業運営や原材料の調達において人権を深く尊重することを含め、当社のすべての事業活動に浸透しています。また、責任ある調達に関する当社のアプローチに沿って、ビジネスパートナーやサプライヤーにも同様の姿勢を期待しています。お問い合わせいただいた鉱山事業に関して、社内および関係各所との調査に基づき、PPESはネバダ州の当該鉱山からリチウムを調達していないことを確認いたしました。事実確認の機会をいただき、ありがとうございました。
2026年8月:PPESへ再度の質問
アムネスティは2026年8月、PPESに上記の質問を再度提示し、ライオライトリッジからのリチウム調達予定について追加で質問しました。
アムネスティの書簡ではPPESの7月の回答内の「ネバダ州の当該鉱山からリチウムを調達していないことを確認」したという文言に関して、ライオライトリッジ・プロジェクト向けに開山が予定されているリチウム鉱山がまだ稼働していない(=リチウムはまだ調達できない)ことを指摘し、その事実を踏まえた上で下記の追加質問を含む計5つの質問に回答いただくよう要請しました。アムネスティの質問内容は現在のリチウム調達状況に関してではなく将来の調達予定に関するものであると強調しました。
■追加質問
PPESは今後、米国ネバダ州のライオライトリッジ・リチウム・ホウ素プロジェクトからリチウムを調達する予定がありますか?
■PPESの回答(9月14日)
和訳文(参考・アムネスティによる和訳)
ご連絡ありがとうございます。PPESでは、事業活動の基盤として、責任をもって人と社会に価値を提供することに重点を置いています。このコミットメントは、事業運営や原材料の調達において人権を深く尊重することを含め、当社のすべての事業活動に浸透しています。責任ある調達に対する当社の姿勢に基づき、ビジネスパートナーやサプライヤーにも同様の基準を遵守することを求めています。人権尊重と責任ある調達に関する当社の姿勢は、すべての事業活動に適用されます。お問い合わせいただきありがとうございました。
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