米国:銃殺刑の生中継は死刑の残虐性を増幅

  1. ホーム
  2. ニュースリリース
  3. 国際事務局発表ニュース
  4. 米国:銃殺刑の生中継は死刑の残虐性を増幅
2026年10月15日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
トピック:死刑廃止

米国連邦当局は、2009年にテキサス州フォート・フッド軍事基地で発生した銃乱射事件で13人を殺害した罪で有罪判決を受けた男性に対し、12月3日に死刑を執行すると発表した。10月8日、ピート・ヘグセット米国防長官は、この死刑執行を生中継で公開すると明らかにした。

トランプ政権が1961年の最後の死刑執行以来初となる軍当局による執行を決定したことは非難すべき行為であり、死刑が本質的に抱える恣意性と、当局が生命権を完全に軽視していることを如実に示す。

死刑は、いかなる場合でも人権侵害だ。国際人権機関はかねてより、公開処刑は残虐で非人道的あるいは品位を傷つける扱い・刑罰を禁止する国際人権法と相容れないとの見解を示してきた。死刑がより強力な抑止力となるという主張には根拠がなく、死刑に特有の抑止効果があるという証拠も存在しない。死刑によって社会の安全が高まるわけではないのだ。

また、銃殺で人命を奪う場面を生中継するのは、死刑の残虐さをさらに深刻化させ、当局が終わらせると称している暴力の連鎖を永続させるだけだ。

先月末テネシー州で、連邦控訴裁判所による執行一時停止命令が出ていたにもかかわらず薬物注射による死刑執行が強行されたが失敗に終わり、死刑にこだわることの無意味さと残虐さを、あらためて浮き彫りにした。米国の死刑制度は、もはや修復不能なほどに崩壊している。今こそ、あらゆるレベルの米国当局が、その権限を行使して人権の規範を示し、残虐で非人道的かつ品位を傷つける、この究極の刑罰を、完全に終止符を打つべき時だ。

アムネスティは、犯罪の種類や状況、有罪・無罪、個人の特質、執行方法などを問わず、例外なく死刑に反対し、死刑の完全廃止を求めて活動している。

アムネスティ国際ニュース
2026年10月9日

英語のニュースを読む