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中国:中国政府が公約に反しオリンピックの遺産を危機に

2008年7月29日
国・地域:中国
トピック:危機にある個人
(香港)中国政府は人権状況を改善するという同国の公約を破りオリンピックの本質的価値に背いたと、オリンピック開幕まで10日を数えるのみとなった本日、アムネスティ・インターナショナルは報告書を発表し批判した。

「人権について訴える人びとを起訴し処罰し続けることによって、中国政府は、オリンピック招致が決まった7年前に自ら表明した多くの約束を反故にしてきた」と、アムネスティのアジア太平洋部副部長ロジーン・ライフは香港での記者会見で語った。

「中国政府はオリンピックの遺産を傷つけようとしている。政府は、すべての平和的な活動家を釈放し、国内外のジャーナリストに自由な報道を許可し、また、死刑廃止に向けてさらなる前進を遂げなければならない」。

アムネスティの報告書『オリンピック・カウントダウン―破られた約束』は、オリンピックの基本となる価値観に関連した4つの分野において、中国政府の成果を評価している。4つの分野とは、人権擁護活動家の起訴、裁判なしの拘禁、検閲、そして死刑である。

報告書は、オリンピックを目前に、これら4つの分野のほとんどで人権は悪化し続けていると結論付けた。オリンピック開催に備え、中国政府が世界に向けて発信したい「安定」と「調和」のイメージを脅かす危険があると見なした個人を、拘禁し、自宅軟禁下に置き、そして強制的に排除してきた。

中国国内で人権問題に取り組む活動家やジャーナリストが、オリンピック期間中に特に人権侵害を受ける危険に晒されていると、アムネスティ・インターナショナルは考えている。

人権活動家で作家でもある胡佳(Hu Jia)は、人権に関する文書を記し、海外メディアの取材に応じたために「国家転覆を扇動した」として拘禁刑に処されている。胡佳氏はB型肝炎を患っているが、当局は家族が刑務所内に薬を差し入れることを妨げている。

最近になって、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長は、IOCの静かな外交が、海外メディアの規制緩和などのいくつかの人権状況の改善につながったと主張した。

「私たちは、IOCが人権についての自身の役割を認識していることを歓迎する。しかし現状を鑑みると、海外メディアが自由に報道できるようになり、インターネット検閲がなくなるだろうと主張するIOCの自信に驚きを隠せない」とロジーン・ライフは語った。「IOCは、中国政府がオリンピックの広範な原則に違反した場合、はっきりとものを言うべきである」

「さらに、中国の人権のために、そして中国の人権活動家一人ひとりのために、オリンピックに出席する世界の指導者たちは声を大にしなければならない。さもなければ、抑圧と迫害の状況を作り出していてもオリンピックを招致できるというメッセージを発信することになるだろう」

編集者への注意:
アムネスティ・インターナショナルの報告書は、以下のように結論付けた。

・中国各地で人権擁護活動家は依然として拘禁そして自宅軟禁の状況にある。またある者は、オリンピックに対するいかなる妨げもできないように警察による厳しい監視下に置かれている。

・中国政府は、オリンピックが開催される前に北京市内を「浄化」し、競技開催中に活動家らを市内から消すために、「労働を通しての再教育(労働教養)」や「強制的麻薬リハビリテーション」などの懲罰的な行政拘禁の適用を拡大した。

・海外メディアにより自由な報道を認めるはずのメディアに関する臨時規定は、十分に実施されていない。海外特派員協会(FCCC)は2007年1月1日以来、260件の取材妨害があったと報告した。規定は中国人ジャーナリストには適用されず、彼らは依然として政府が慎重を要するとみなした問題を記事にすることを妨げられている。

・死刑は依然として68の犯罪に適用され、その中には経済や麻薬関連のように非暴力犯罪も含まれている。最高人民法院が再審理手続きを再開して以来、執行数が減少したという主張にも関わらず、実際の統計は公表されていない。

地方の活動家である劉傑(Liu Jie)は北京市で拘束され、中国東北部の黒龍江省で18カ月の労働教養を科されている。地元の情報によると、劉傑は、労働教養の廃止など政治・司法改革を実行することを指導者らに訴える公開書簡を取りまとめようとしたために、身体的な虐待を受けたと伝えられている。

2008年6月、警察は四川省の人権活動家である黄キ(Huang Qi、「キ」は「 王」 の右に「奇」)を、「違法に国家機密を保有した」容疑で拘束した。黄キは5人の小学生の家族が地方政府に対して訴訟を起こすのを支援していた。5人の小学生は5月の四川大地震で小学校の校舎が倒壊した際に亡くなっている。

2001年に中国が2008年のオリンピック招致国となったとき、北京オリンピック招致委員会の王事務局長は次のように語っている。「中国を訪れる海外のジャーナリストには、完全なる報道の自由を与えるつもりだ…中略…中国でオリンピックが開催されることは、中国の経済を発展させるのみでなく、教育、健康、人権を含むあらゆる社会的状況を改善するだろう」

報告書「中国:オリンピック・カウントダウン―破られた約束」(全18頁)はグリニッジ標準時間7月28日(月)午後9時から以下のサイトでダウンロードできる。
http://www.amnesty.org/en/library/info/ASA17/089/2008/en
(英語)
http://www.amnesty.or.jp/uploads/mydownloads/Broken Promises_j_abridged.pdf 
(日本語抄訳)

*中国ディベート(THE CHINA DEBATE)

The China Debate website (www.thechinadebate.org)を通じて、アムネスティは中国における人権侵害について意識を喚起し、どのようにすれば改善を実現できるかについての公平な議論(ディベート)を促したいと考えている。中国語と英語で、サイトは4つの人権分野(裁判なしの拘禁、検閲、死刑、活動家への弾圧)に焦点をあてており、中国の人権についての活動を活発にさせている。

*中国の人権状況

中国のオリンピック招致が決まった当時、中国政府はオリンピックが同国の人権状況改善に寄与すると語った。また国際オリンピック委員会(IOC)もこれに同調した。アムネスティ・インターナショナルは、改善が必要な4つの主要な分野について監視を続けている。

詳しくは: 
www.amnesty.org/en/china-olympics 
(英語)

アムネスティ発表国際ニュース
2008年7月28日(香港時間29日)
 

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