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中国:政府は基本的権利を守り、その権利を擁護する政策を

2012年11月 1日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:

中国は、まもなく全国共産党大会(第18回)を迎える。大会の警備体制がいつもと様子が違うことや、新指導者が中国と世界にどういう意味をもつか、などについて多くの憶測を呼んでいる。

誰が、何を、なぜ、いつ、どうしようとするか、ということへの憶測は、私も大いに興味はあるが、ここではしない。

しかし中国が真に安定した国家になるためには、新指導者はいくつかの基本的な原則を念頭に、建前に見合った行動をとらなければならない。

国内的には、貧困状況は明らかに改善されてきた。しかし、まだまだ大きな課題が残っている。

中国は世界の大国である。その経済的な影響力は明白だ。同時に、安保理やその他の場で、大国としての責任が付きまとうのも事実だ。しかし、中国は、世界中で横行する重大な人権侵害で尽くすべき議論を最小限に抑え込むことに、しばしばその影響力を行使してきた。

過去1年半の間、北京当局は3万人を超えると思われるシリアの死者に対し「深い遺憾の意」を表してきた。しかし、中国は、シリア市民が今置かれている悪夢のような現実を防ぐ手立てを、安保理が取ることを阻止する首謀者だったのである。

アジアやアフリカほか各国は7月、国連本部で多数の人命を守れる武器貿易条約を議論した。この議論の中で、中国はアメリカやロシアとともに、条約締結を先延ばしする側に加担した。

国内では、当局の建前と現実が大きくかけ離れる。

中国の法律では表現の自由は約束されている。しかしながら、国民はこの権利を繰り返し否定されてきた。中国では毎日のように、基本的人権を主張し、無法な役人に抗議する抗議集会が何百も開かれている。しかし、こうして声を挙げる者は厳しく処罰される。

人びとの表現の自由と政治的参加の改善を求めたノーベル賞受賞者、劉暁波の投獄には、世界中が憤った。この問題は周知だが、数多くの不当な現実の一つにすぎないのである。

3カ月前(7月25日)、朱承志は「国家権力転覆煽動」容疑で逮捕された。彼の消息は、湖南省邵陽市で隔離拘禁されている拘束施設までだ。

朱承志の友人によると、拘禁理由は、彼と親しい友人で反体制派の李旺陽が死亡した場所の写真を撮影し、その写真をインターネット上で共有したということだ。

地元当局は、6月に病院で死亡した李旺陽の死因を自殺と断定した。しかし香港での何万人もの抗議集会が訴えたように、数多くことが謎のままだ。一方で当局は、国際基準に沿った独立した捜査を拒否している。

もっともなことだが、強制立ち退き問題は中国の大きな社会不安要因である。中国の人びとは、話し合いや補償、適切な代替措置なしに、家や農地から強制的に立ち退きを強要されるという違法事態に直面している。アムネスティ・インターナショナルは先ごろ、この強制立ち退き問題に関する気の滅入るような詳細な資料と記録を発表した。これは中国が国際的な基本的人権の義務を甚大な規模で違反しているのである。

温家宝首相は、強制立ち退き問題を事実として認めている。しかし他の官僚たちは、立ち退きの過程での虐待行為を、国の近代化に避けられない措置だと正当化する。住宅問題の弁護人、毛恒鳳の言葉を借りれば、「一部の人が恵まれた生活をして社会に沈黙し、一方で国家は多数を抑圧し続ける。私たちは、個々の和解ではなく、社会全体の正義を求めているのです」

一方で、人権擁護に挑む弁護士たちは、彼ら自身が処罰されてしまう。人権問題の弁護士、高智晟は「国家転覆」に対する条件付き執行猶予に違反したかどで、新疆の収容所に再び留置されている。彼の罪(?)はクライアントの弁護をしたことだ。仕事に尽力した結果、自身と家族は長年に監視され、嫌がらせや拷問を受けている。

上記のような例は枚挙にいとまがない。中国の新指導者は、国家の安定は自国民の抑圧でもなければ、他国の抑圧にふたをすることでもない、ということを理解するべきだ。

もし中国が21世紀に大国としての実績を築き続けたいのであれば、基本的権利を守り、その権利を擁護する政策を実行していかなければならない。もし指導者がその権利を葬り去るなら、中国政府にとっても中国の人びとにとってもそして世界にとっても、悲しいことになる。

アムネスティ・インターナショナル事務総長 サリル・シェティ

▼報告書はこちら

「中国:一歩も退かない〜暴力的な立ち退きに直面する住民たち〜」
http://www.amnesty.or.jp/library/report/pdf/china_report_20121031.pdf

 

アムネスティ日本 2012年10月31日配信

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