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フィリピン:死刑再開は薬物問題の解決にはならない

2017年3月15日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:フィリピン
トピック:死刑廃止

3月7日、フィリピン下院は、最終手続きとなる第三読会で、下院法案4727を採択した。死刑の再開を認めるこの法案は、ドゥテルテ大統領の与党連合が提案した。

この法案採択は、同国が国際的な法的義務の重大違反に向かって突き進むことを意味する。死刑再開が、フィリピンから薬物問題をなくし、犯罪を防止することにはならない。死刑は非人道的な刑罰であり、犯罪の抑止効果はなく、なんの問題解決にもならない。再開すれば、残虐な刑罰を復活させた数少ない国として、不評を買うだけである。

票数は、賛成216票、反対54票、棄権1票だった。下院議長が議員に対し、「法案に反対、あるいは棄権するなら、要職をはく奪する」とあからさまに脅迫した。法案はこの後、上院に回される。上院が、同国の国際的な義務を守る、最後の大きな望みの綱となった。

2016年6月30日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が政権の座について始まった「麻薬撲滅戦争」で、8000人以上が次々と犠牲になった。超法規的な殺害もあった。そんな中での法案可決である。

アムネスティはあらゆる犯罪に対する死刑の適用に対し、例外なく反対する。国際法上では、死刑判決は最も重大な犯罪に限定されているが、薬物関連の犯罪は重大犯罪に当たらない。フィリピンがやろうとしていることは、明らかに違法である。死刑には、それなりの犯罪抑止効果があるという根拠もない。

2007年、フィリピンは、全面的に死刑を禁止する国際条約を批准し、死刑廃止を約束した。法的には、この義務はいかなる場合でも撤回できない。

2006年に死刑を廃止後、フィリピンは、死刑反対を強く訴え、国際会議では、廃止に向けた取り組みを支持してきた。また、国外に住むフィリピン国籍の人びとに科された死刑判決を減刑する取り組みもしてきた。

背景

今日では、141カ国が法律上にまたは事実上、死刑を廃止している。アジア太平洋地域では、19カ国がすべての犯罪に死刑を廃止し、さらに8カ国が事実上の死刑廃止国である。モンゴルでは、すべての犯罪に死刑を廃止する刑法が、今年7月に施行される。

アムネスティ国際ニュース
2017年3月7日

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