ケニア:外国人嫌悪を生む移民取り締まり

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2018年9月11日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ケニア
トピック:難民と移民

ケニアでは現在、非正規に滞在している外国籍労働者に対する家宅捜索が全国規模で行われ、数百人の移民、難民、庇護希望者が拘束されている。当局は、この摘発を直ちにやめるべきである。

5月下旬、当局は、在留外国人の労働許可証を確認する作業を始めた。8月24日には、内務省が移民局と治安部隊に対し、11月末までに非正規在留者の拘束・送還を終えるよう命じた。

その結果、各地で家宅捜索が相次いだ。当局の狙いは非正規移住労働者だが、拘束された人のほとんどは、難民や庇護希望者だった。アムネスティの調べでは、多くは、コンゴ民主共和国、エチオピア、ソマリア、南スーダンなど戦禍や迫害が絶えない国々の出身だった。

多数の外国人を拘束したことについては、その合法性と妥当性を法廷の場で審理する必要がある。少なくとも難民と庇護希望者は、釈放されるべきだ。彼らの拘束と強制送還は、同国の憲法にも国際法にも違反する。

また、移民局は8月27日には、市民が身近なところにいる非正規在留者を移民局へ通報する専用電話を設置し、摘発を強化している。市民に不法滞在が疑われる外国人を見つけ出させ、通報させることには、大きな問題をはらんでいる。外国人に対する嫌悪感を市民に植え付けるおそれがあるからだ。この通報制度も、直ちに廃止すべきだ。

アムネスティ国際ニュース
2018年9月1日

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