11月、ビルマ(ミャンマー)・タイ国境の難民への医療支援で名高いシンシアマウン医師が来日。東京、大阪、福井で講演会を開催したほか、TV出演等のメディアの取材や、外務省幹部との会談が行われました。

今回の来日講演会にあたっては、私たちアムネスティ・ビルマチームも他NGOと共にその開催に協力しました。

11月17日の東京講演会(日本財団ビル)では、約100名余りの聴衆が会場を埋め尽くしました。

共に活動してきたプログラム・マネージャーのターウィン氏と交互に話しながらの3時間余りの講演でしたが、中でも話されたのが、ビルマ(ミャンマー)からの移住労働者の話、ビルマ国内の医療・教育の実態がいかに劣悪であるかでした。

ビルマからタイ国境地帯のメータオ・クリニックにやってくるビルマ人の多くは、経済的な理由や設備が整っていないとの理由で、国内でまともな医療を受けられない人びとですが、政治的な理由でビルマを出国せざるを得なくなった人びともいます。

メータオ・クリニックは患者に無料で医療を施すことで、そうした問題の解決を図っていましたが、資金難により広範囲な医療活動が最近は制限されてきています。現在ビルマは改革により開かれた国として国際社会から認識されていますが、実際はそうではないとシンシアマウン医師、ターウィン氏は口を揃えて主張します。民主化が実現するには、メータオ・クリニックのような国外でビルマ人を支える団体が国内でも活動できるようにすることが大切だとシンシアマウン医師は力説していました。難民・移住労働者が十分な保健医療サービス・教育を受け、安全に帰還できるようにしなければならないと、繰り返し訴えていたのが印象的でした。

また、外国からの医療援助は大切だが、医療水準を向上させるにはビルマだけではなく周辺国とも連携する必要があると彼女は訴えていました。地域に根付いた団体を合流させながら国全体の医療を改善する必要があるといいます。周辺国との協力のみならず、NGO・市民団体も交えた活動により医療・教育水準が向上していくであろうと分析しているのです。


開催日 2012年11月17日(土)
場所 日本財団ビル
主催 メータオ・クリニック支援の会/ビルマ市民フォーラム
日本ビルマ救援センター/アムネスティ・インターナショナル日本

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