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ネパール:無責任な武器輸出が人権の危機に拍車をかける

2005年6月16日
国・地域:ネパール
トピック:武器貿易条約
 米国、インド、英国をはじめとする諸外国からのネパールへの無責任な軍事支援と武器供給が何千という一般市民の殺害や拷問、誘拐、「失踪」をいかに助長しているかを本日、アムネスティ・インターナショナルは明らかにした。

 米国、インド、英国をはじめとする諸外国からのネパールへの無責任な軍事支援と武器供給が何千という一般市民の殺害や拷問、誘拐、「失踪」をいかに助長しているかを本日、アムネスティ・インターナショナルは明らかにした。

 前述の国ぐにと、最近軍事支援を始めたベルギーや南アフリカ、さらにインドが組み立て移送するヘリコプターの重要部品を供給しているフランスに対し、ネパールの治安維持軍が人権を遵守することを行動で示すまで同国に対し軍事支援や武器供給を再開しないようアムネスティは要請した。

 アムネスティは新たな報告書を発表し、甚大な人権侵害に利用される可能性があるネパールへの武器移転とそれに関連する軍需および治安維持用物資の供給が停止された事例も紹介している。

 『ネパール:甚大な人権侵害に拍車をかける軍事援助』と題する報告書は、ネパール軍とネパール共産党(毛沢東主義者)の間の9年に渡る武力紛争下で、ネパール軍に各国政府が提供している軍事援助、武器移転および軍事訓練について、特に焦点をあてている。また、私企業からの武器の供給やこれに関わる輸出許可証の発行における各国政府の役割も検証している。

 武力紛争下において、そのような軍事支援が、ネパール軍およびネパール共産党双方による一般市民の殺害や誘拐に利用されているという幾多の証拠にも関わらず、軍事支援はつい最近停止されたのみで、いまだに支援が続いているものもある。

 「武力衝突が激化している状況下で、さらなる軍事支援はきわめて無責任だといわざるを得ない。武器が重大な人権侵害に使われるという明確な危険がある限り、武器を輸出してはならない。すでに明らかなように、最も被害を受けるのは一般市民だ」と、アムネスティのプルナ・セン・アジア太平洋部長は訴えた。

 報告書の主な内容は以下の通り。

  • -2003年8月にネパール治安維持軍によって非武装の毛沢東主義者との容疑を受けた19人が殺害されるなど甚大な人権侵害が明らかになったにもかかわらず、インドからネパールへ5.56ミリ歩兵銃(INSAS)2万5千丁が輸出された。
  • フランス企業ユーロコプター社ライセンスを受け、インドが攻撃ヘリ・ランサーを供給。毛沢東派が招集した村々の集会を攻撃するためにネパール王国軍がこれを使用し、これまでに幾度も一般市民が殺害されている。
  • 2001年以降、米国からM16自動小銃2万丁の輸出と2900万ドルの軍事資金の援助が実施されている。
  • 英国は物資輸送用アイランダー軽輸送機を供給しながら、実際の使用時に武装されないことを確認する最終利用監視の制度を実施していない。
  • 2001年、英国は6780丁の攻撃銃を含む様ざまな小型武器の船舶輸送許可証を発行。これは、1998年の武器輸出に対する欧州連合(EU)の行動規範に違反している。
  • 武器輸出に対するEUの行動規範に違反し、ベルギーは2002年にネパールへ軽機関銃5000丁を輸出。これに先立ってドイツは人権の見地から同様な武器の供給を拒否していたにもかかわらず、輸出された。
  • 人権侵害の容疑者を排斥する審査手続きが不明あるいは不在のまま、米国と英国およびインドはネパール治安維持軍を訓練。
  • 2003年、南アフリカがネパールへ軍用通信機器を供給。
  • 超法規的処刑に関与した疑いのある兵士が国連の活動に派遣されたという報告が複数あるにもかかわらず、国連平和維持軍に参加させることとなったネパール王国軍の兵士に対する独立した事前調査を国連は怠った。

 ネパール政府が人権侵害を止め、人権侵害の加害者を裁判にかけるための明確な策を講じない限り、同国に対するすべての武器供給と軍事支援を停止するようアムネスティは各国に要請している。特に、ネパール政府は、国連人権委員会の2005年4月の決議に盛り込まれた同委員会の勧告を実施しなければならない。同決議は、恣意的な逮捕や「失踪」を止め、すべての「失踪者」の行方を明らかにし、治安維持法を改正し、いかなる人権侵害に対しても迅速かつ独立、不偏的な調査機関を設置し、人権侵害の加害責任者を起訴することを勧告している。

アムネスティ国際発表ニュース
2005年6月15日
AI Index: ASA 31/051/2005

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