スペイン:スペイン/モロッコ:2件の発砲事件における移民の権利

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2005年10月12日
国・地域:スペイン
トピック:難民と移民
2005年9月28日の夜から29日にかけて、スペイン領セウタとモロッコを隔てている2重の有刺鉄線の柵を乗り越えて数百人の人々がスペイン領に入ろうと試みた際、サハラ以南のアフリカ出身者の少なくとも5人が亡くなり、ほか数人が負傷し、スペイン・モロッコ両国の法執行官と対立した事件が起きた。

スペイン領メリリャにおいても、未成年者1人を含む男性2人が亡くなるという事件がセウタとよく似た状況下で起きたが、今回の事件はちょうどその1ヶ月後に起こった。

アムネスティ・インターナショナルは、モロッコからスペインへの入国を試みた人の死亡および数人が重傷を負った、両国の法執行官による過剰な武力の行使があったとの報告に重大な懸念を表する。アムネスティが入手した情報によると、殺された5人のうち2人は柵のスペイン側で発見され、残り3人はモロッコ側で発見された。5人全員が銃による傷を負ったと伝えられているが、どのような弾薬が使われたのか、スペイン側、モロッコ側どちらが発砲したのか、または双方が発砲したのかといった点はまだ明らかにされていない。

スペインとモロッコの当局は、セウタでの最近の事件について合同捜査を行なうことを発表した。アムネスティは両国の政府に対し、以前メリリャで起きた事件についても捜査を行なうことを要請し、さらにそのような捜査が迅速かつ包括的、独立して公平に行なわれ、その結果が公表されることを確約するよう要請した。

アムネスティは両国の政府に対し、国境を管理している法執行官の訓練・業務の徹底的な再検討を実施するよう要求している。群衆を管理する方法・手段に関する具体的かつ適切、定期的な訓練を受けないと、法執行官は不必要かつ重大な傷害や、死をも引き起こしてしまう可能性がある。法執行官はまた、国連の「法執行官のための行動綱領」や「法執行官による力および火器の使用に関する基本原則」といった国際基準の研修をより充実させ、法執行に適用させる必要がある。

背景情報

2005年9月28日の夜から29日にかけて亡くなった5人は、セウタとモロッコを隔てている有刺鉄線の柵を乗り越えてスペインに入国を試みた数百人の一部であった。

他にも数人のサハラ以南のアフリカ出身者が、最近数ヶ月のあいだにスペイン領メリリャとモロッコの国境付近において、スペインまたはモロッコの治安部隊による虐待や過剰な暴力の行使を受けた後に亡くなったと伝えられている 。

カメルーン国籍の2人が2005年8月28日~29日、スペインの民兵が至近距離で発砲したゴム弾に当たった後に亡くなったと伝えられている。その2人は、メリリャとモロッコを隔てている2重の柵の最初の柵を乗り越えようと試みた数百人のグループの一部であった。2004年4月、ナイジェリア国籍の2人も同様に国境付近のモロッコ領においてモロッコの治安部隊によって発砲を受けた後に亡くなったと伝えられている。

数千人の移民と庇護申請者(多くはサハラ以南のアフリカ出身者)が毎年、スペイン領セウタとメリリャに入国を試みている。

アムネスティ発表国際ニュース
(2005年10月3日)
AI Index:EUR 41/011/2005
2005年10月3日

 

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