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ネパール:苦しみと虐待の10年間

2006年2月14日
国・地域:ネパール
トピック:危機にある個人
10年にわたる戦争と政情不安定は、ネパールの人権状況を世界で最悪のものにし、国際社会はこの衰退を回復させる重要な役割を担っている、とアムネスティ・インターナショナルは本日発表した。

「ネパールの人びとは、以前から過度な暴力の中で暮らしている。国際社会やネパール関係者すべてが早急に行動をとらなければ、若い世代は流血と紛争以外知らないまま成長してしまう」とアムネスティ事務総長アイリーン・カーンは断言する。

2月8日に実施された地方議会選挙に抗議する人びとへの警官隊による過度の武力行使など、ここ数週間で暴力が急速に激化している。この選挙は、国王が彼の統治を正当化する試みであると一般的に見られている。きたる2月13日の戦後10周年記念日には、さらに激しい武力衝突が懸念される。

紛争に関連した人権侵害として最も広がりをみせているのが、政府による市民の基本的自由の制限であり、さらに悪化している。ここ数週間で、おそらく1,500人以上が政治的なデモを組織した、または参加したことで逮捕されている。2月8日には、参加者1人が警官により射殺された。

マオイストが「人民戦争」を1996年2月13日に宣言して以来、12,000人以上の人びとが殺害されている。何百人も「失踪」し、拷問、誘拐、強姦され、子ども兵士として徴兵された。数十万人が強制退去させられ、仮設住宅での悲惨な生活を送っている。

「市民の殺害・負傷の増加、この時期に世界で最も多く報告された「失踪者」の数などから、私達は10年に及ぶ紛争で人権状況が刻々と悪化するのを見てきた」とアムネスティ事務総長は述べた。

治安部隊による殺害やその他の虐待を容認しないことを保証するよう、アムネスティはネパール政府に対しあらためて要求した。加害者は起訴され、犠牲者には正義が認められるべきである。マオイストに対し、市民に危害を及ぼさないようあらゆる手段をとるよう呼びかけた。

「国際社会は、人権状況がさらに悪化するのを防ぐ重要な役割を担っている」とアイリーン・カーンは述べた。「人権を尊重し、国際人権法上の義務(平和的なデモの権利といった、基本的な自由の回復を含む)を遵守するよう政府に圧力をかけ続ける必要がある。」

人権を尊重しないネパール軍の実情を考えると、ネパールの海外平和維持活動の参加を国際社会は見直すべきである。アムネスティは、ネパールに武器を供給し続ける海外の政府に対し、人権状況が明確に好転するまで武器禁輸措置をとるよう求めた2005年2月の要求をあらためて表明した。

「あまりに長期にわたっているため、この紛争が政治課題となりえなくなるのは容易である。しかし日常的な悲劇の実態にさらされているネパールの人々のために、世界は政府とマオイストへの圧力を引き続き確約すべきだ」とアイリーン・カーンは述べた。

背景情報
2005年2月1日にギャネンドラ国王が政権を握って以来、紛争と共に残酷な虐待が、市民の自由を制限している。多くの関係者の介入―2005年2月に国王に謁見したアムネスティ・インターナショナルも含めて―にもかかわらず、通常は活発な国営放送が沈黙させられ、人権活動家が嫌がらせを受けたり逮捕されている。

ここ数週間で、何百人も政治抗議への参加や組織したことで逮捕されている。治安部隊はデモに対し、不適切な暴力で対応している。多くのデモ参加者が殴打されたと報告し、2006年2月8日には政治家のウメシ・チャンドラ・タパが、ネパール中西部のダン地区でのデモの帰りに、治安部隊によって射殺された。

このような抗議への抑圧は、人権侵害が首都以外でも起きていることを国内外の人びとが知ることを妨げる危険な盲点となる。  

2003年と2004年の2年間において、ネパールは「失踪者」が世界でも最も高い割合で報告されたが、国際的圧力を受けた後の2005年は「失踪者」が大幅に減少した。

2005年5月、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)はネパールにおける人権監視団を結成した。

10年間の紛争で、ネパールは貧困の悪化にも直面している。紛争や治安悪化、マオイストによる「ストライキ」の恒常的な呼びかけは、貧困層が教育や医療制度、食料といった基本的な権利にアクセスする障害となっている。

アムネスティ発表国際ニュース
(2006年2月10日)
AI Index: ASA 31/009/2006

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