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レバノン:パレスチナ人に対する差別を直ちに止めるべき

2006年6月19日
国・地域:レバノン
トピック:難民と移民
5月にレバノンが提出した第3回定期報告書の審査を終えた子どもの権利委員会(以下CRC)は6月2日、レバノンの子どもの権利条約実施状況に関する最終見解を発表した。

他の弱い立場にある人びとと共に、パレスチナの子どもたちが直面している根深い事実上の差別、「特に適切な社会福祉や保健サービス、教育施設の恩恵を受けることができない」点についてCRCは懸念を表明した。

 4月にCRCに提出した報告書(「レバノン:パレスチナ難民の子どもたちの権利に対する各種の制限」AI Index: MDE 18/004/2006)をはじめとして、これまで、レバノンにおけるパレスチナ難民に対する法律上の、あるいはその他の形態の差別について、さまざまな機会にアムネスティ・インターナショナルは懸念を表明してきた。同報告書には、適切な住居や社会保障、教育を享受する権利や住民登録の権利など、パレスチナ難民の子どもたちが直面している差別について詳しく述べている。

 パレスチナ難民の子どもたちに対する差別は、レバノンのパレスチナ難民に対する長期にわたる差別と基本的な経済・社会権侵害の一例にすぎない。雇用に関しても、パレスチナ難民には雇用の機会が制限されており、職場での権利も十分に保障されていない。不動産所有に関する法律は、特にパレスチナ難民が不動産を所有することを禁止するよう作られている。さらに、南レバノンにあるキャンプへいかなる建築あるいは修復用資材もその搬入をレバノン当局者は禁じている。「難民キャンプにおけるパレスチナ難民の子どもたちの過酷な社会的・経済的生活状況、社会福祉や保健、教育などの公共サービスへの制限、家庭や学校、さらに広く地域社会における子どもたちへの暴力などについて、深い懸念を抱き続けている」とCRCは述べている。

 レバノンには、有効な身分証明書や合法な住民登録証を持っていないため、他のパレスチナ難民よりさらに過酷な制限の下で生活を強いられている何千という未登録パレスチナ難民と呼ばれる人びとがいる。「レバノンの子どもたちがすべての人権と基本的自由を享受できることを確保するため」、政府は「身分登録証を持たないパレスチナ人の子どもを含むすべての国内の子どもたちが、出生後即座に登録されるよう保障すべきであり、また出生が登録されておらず、公的な身分証明書を持たない子どもたちが適切に登録されるまでの間も、保健や教育など基本的な公共福祉を受けられるようにすべきである」とCRCは勧告した。

 40万ちかいパレスチナ難民がレバノンに住んでおり、そのほとんどが1948年にレバノンに到着した人びとか、その子孫である。パレスチナ難民は、今日のイスラエルやその西岸地区、ガザ地区にあった家や土地を追われ、それ以来帰還することができないでいる。レバノン当局はしばしば、パレスチナ難民が帰還する権利を保持していることを理由に、パレスチナ難民の権利制限を正当化している。たとえば、既存の難民キャンプの拡大や修復を禁止していることについて、「パレスチナ人のレバノン在住が既成事実として固定化され、強制的再定住を暗黙裏に容認することにより、帰還の権利を支えている原則が破壊されるのを防ぐため」であるとCRCの審査に付したレバノン政府報告書では説明している。このような正当化には根拠がなく、人権に関してレバノンが負うべき義務とも相容れないものだ。

 帰還の権利は、国際法において保障されている権利であり、その他の人権はこれと矛盾するものではなく、それらの人権を行使することが帰還の権利を否定するものでもない。レバノンにいる難民を含めすべてのパレスチナ難民は、帰還の権利が実現されるまで、十全に人権が保障されるべきである。パレスチナ難民に対する差別的政策の廃止が少しでも遅れることは、人権に関してレバノン政府が負うべき義務を違反し続けることを意味している。

 働く権利や職場での権利、適切な住居や社会保障および教育を享受する権利に関する差別をはじめとして、パレスチナ難民が受けている事実上および法律上のすべての差別に終止符を打つために必要なすべての対策を講じるようアムネスティはレバノン政府に引き続き訴える。また、すべての未登録パレスチナ難民を住民登録し、すべてのパレスチナ難民の子どもたちがレバノンの子どもたちと同等の人権を享受することを保証するのに必要なすべての手続きをレバノン政府は直ちにとるべきである。以上に鑑み、CRCの勧告を遅滞なく完全に実施するようアムネスティはレバノン政府に訴える。

アムネスティ国際ニュース
(2006年6月8日)
AI Index: MDE18/005/2006

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