- 2023年1月24日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:レバノン
- トピック:難民と移民
昨年12月31日の夜、レバノン沖で沈みかかった船から救助されたシリア難民およそ200人が、その後シリアに違法に送還され、当局に引き渡された。命懸けで逃れてきた人たちをシリアに送還するというレバノンの対応は、弱者に対する冷淡な扱いを浮き彫りにしている。
シリア人たちが国内では紛争を逃れ、レバノンでは難民として過酷な状況に耐え、沈みかけた船から救助されたのは、結局はシリア政府に引き渡されるためだったのか。
レバノンは、国際法で定められている義務を尊重し、逮捕や拷問などを受けるおそれがあるシリアへの送還を停止すべきだ。
背景情報
昨年12月31日、一隻の小型船がヨーロッパを目指してレバノン北部を出航した。船が沈みかけたとき、ほとんどがシリア人の約230人がレバノン海軍と国連レバノン暫定隊の救助隊に救助された。残念ながら、女性1人と子ども1人は助けられなかった。
救助された人たちはレバノンのトリポリ港で下船し、その後200人近くがトラックに乗せられ、北東部の果てワディ・カレドのシリアとの非公式の国境でシリア側に降ろされた。200人の中には、国連難民高等弁務官事務所により難民認定を受けた人たちもいた。
彼らの強制送還は、迫害などの人権侵害を受けるおそれがある国への送還を禁止するノン・ルフルーマンの原則に違反する。
シリアに戻された人たちは、シリア軍兵士に拘束されたようだが、家族が斡旋業者に手数料を払うことができた人たちは解放され、レバノンに戻ることができたとみられる。
レバノンに戻ることができた1人で国連に難民登録する男性は、「レバノン軍の上官だという人物から、『カネを出せば斡旋業者に連絡してレバノンに戻れるようにしてやる』と言われた」とアムネスティに話した。
アムネスティ国際ニュース
2023年1月18日
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