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米国:最高裁判決を機にブッシュ大統領は政策を変更すべき

2006年7月 3日
国・地域:米国
トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
ハムダン判決を受け、グアンタナモやアフガニスタン、イラクあるいは他の未公開施設での「テロとの戦い」に関するブッシュ政権の拘禁政策とその運用全般について再考の機会とするようアムネスティ・インターナショナルはブッシュ大統領に訴えている。

「被拘禁者が自らの裁判に出廷する権利や自らに不利になる全ての証拠について知る権利など、公正な裁判に関する国際基準に違反しているとして軍事委員会(軍事法廷)の活動停止を連邦最高裁判所が命じたことをアムネスティは歓迎する」とアムネスティのロブ・フリーア米国担当調査員は語った。

 「法の支配や人権の尊重、米国の評判などについて、ブッシュ大統領は今こそより広い視野で考え、この裁定の先進的見解を自らの政権が採用することを保証すべきだ。他の形態や方法による軍事委員会の復活を大統領は追求すべきではない」とフリーア調査員は訴えた。

 「『テロとの戦い』の中で、あまりにも長く、あまりにも大きな権限を大統領は欲しいままにし、その政権に反する司法判断に対して最も狭義の解釈を適用することをブッシュ政権は追求して来た」とフリーア調査員は語り、「今日の裁定は司法による監視を再確認するものとして歓迎する」と続けた。

 ジュネーブ条約共通条項第3条に規程された基本的保護条項を適用すべきことを連邦最高裁判所は確認した。具体的には「文明国の国民が不可欠と認める司法上の保証措置をそなえた正規の裁判所」による裁判のことである。さらに共通条項第3条は拷問および非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いを禁じているが、アフガニスタンで、あるいはさらに広義の「テロとの戦い」で米軍が拘禁した者にこれは適用されないという判断を2002年初頭にブッシュ大統領は下していた。

 ブッシュ大統領は最近、グアンタナモ拘禁施設を閉鎖するかと質問された際に、「敵性戦闘員」と自らが規定した被拘禁者を軍事委員会で裁くことができるか否かを左右するハムダン裁判の最高裁判決を待っていると述べていた。

 「グアンタナモを閉鎖し、また軍事委員会を廃止する権限をブッシュ大統領はいつでも手中にしている。双方ともブッシュ政権の産物でしかない。いずれも国際法に違反するものであり、いずれも歴史書に葬るべきものだ」とフリーア調査員は主張した。

 行政当局が設置し、これから独立した裁判所ではない軍事委員会は、公正な裁判に関する国際基準からかなり逸脱している。このような委員会が行った裁判では正義がなされることもなく、なされたと認知されることもない。このような委員会が死刑判決を下す権限さえ与えられてる。

 グアンタナモ拘禁施設の閉鎖を1年以上もの間アムネスティは訴え続けており、軍事法廷の設置を決めたブッシュ大統領の軍事指令を撤回するよう2001年以来アムネスティは求めてきた。

 グアンタナモ拘禁施設が閉鎖されたとしても、人権侵害を他に移転することにこれを利用してはならないとアムネスティは再度訴える。全ての秘密拘禁を止め、全ての被拘禁者を公式に登録しなければならない。拷問および非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いを受けない権利、自らの拘禁の合法性を司法に訴える権利、認知可能な犯罪容疑について独立した公正な正規の裁判所で死刑判決の恐れがない、十全かつ公正な裁判を受ける権利をはじめとする、国際法および国際基準上のすべての権利を全ての被拘禁者に保障すべきである。

背景情報

 イエメン国籍のサリム・アームド・ハムダンさんは2001年11月、アフガニスタンにおける国際紛争のさなかに拘束された。ハムダンさんは現在まで4年半以上も米国の拘束下にあり、そのほとんどをグアンタナモ湾の拘禁施設で過ごし、長期にわたり独房監禁されたこともある。2001年11月13日のブッシュ大統領の軍事指令に基づく指名によりハムダンさんは2003年7月、軍事委員会の審理にかけられることになった。例えば「市民への攻撃」や「テロ行為」など、「軍事委員会の審理に付すことが可能な」行為を共謀した容疑でハムダンさんは起訴された。

 グアンタナモ拘禁施設に収容した外国籍の人を軍事委員会の裁判にかけるようブッシュ大統領が命令したことは越権だと連邦最高裁判所は5対3で裁定した。裁定では、提案の委員会は米国法とジュネーブ条約に違反すると判断された。

 軍事委員会およびグアンタナモ閉鎖に関する詳細については、以下をご参照ください。(英文)

米国:「テロとの戦い」関連非拘禁者を裁く軍事委員会:
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGAMR510502006

国連拷問禁止委員会報告に関する米国政府への覚書:
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGAMR510932006

アムネスティ国際ニュース
(2006年6月29日)
AI INDEX: AMR51/102/2006

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