米国:GOOD NEWS!  ムラート・クルナスさんがグアンタナモから4年8か月ぶりに釈放

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2006年9月 2日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
「ああ、私は大丈夫です! けれど、私がいつ家に帰ることができるかは、私たちをお創りになった神のみが知っているのです」
(2002年3月、グアンタナモ収容施設からドイツにいる家族にあてたムラート・クルナスさんの手紙より)

4年8か月ぶりの家族との再会
グアンタナモ収容施設から釈放されたムラート・クルナスさん


2006年8月24日、24歳のムラート・クルナスさんはグアンタナモの収容施設から釈放されました。拘束されて以来、起訴もされず裁判も何もないままの4年8か月でした。厳重に検閲を受けた手紙のやりとりだけが、家族とのつながりでした。

「彼は再び、家族の輪にもどることができました。失った息子を再び抱きしめられた家族の喜びは、言葉では説明し尽せません」(ムラートさんの弁護士による声明より)

ムラート・クルナスさんはトルコ国籍で1982年にドイツで生まれました。2001年11月にパキスタンで拘束され、すぐにアフガニスタン・カンダハールの米軍に引き渡されました。ムラートさんがキューバのグアンタナモ米軍基地内にいることを家族が知ったのは2002年1月、最初にムラートさんからの手紙が届いたのはその年の3月でした。

大勢のグアンタナモ被収容者同様、ムラートさんを「テロリスト」と結びつける証拠がほとんどないまま、数年も収容され続けました。米国とドイツの情報機関はそのことを認識していましたが、釈放まで何年もかかりました。収容中、米軍当局がムラートさんを拷問した疑いがあります。

母親であるラビエさんはこの数年、ムラートさんの釈放を求めるキャンペーンに身を投じてきました。ドイツ市民権がないため、ドイツ政府はムラートさんのドイツ帰還を拒否し、トルコ政府は事件にほとんど関心を示しませんでした。

家族、弁護団、そしてムラートさん一家が住むブレーメンの住民をはじめとするアムネスティ会員による活発な釈放運動ののち、ドイツ政府はムラートさんのために動き出し、ついにドイツへの帰国が実現しました。

ムラート・クルナスさんは家族との再会を果たしましたが、長期にわたったグアンタナモ収容のトラウマが残されています。また、グアンタナモにはいまだに400人以上が収容されたままです。そのうち約300人の被収容者は、釈放の予定も第三国の収容施設への移送の予定もありません。

「テロとの戦い」におけるグアンタナモ基地収容施設について、国連は閉鎖を勧告し、今年の米国の連邦最高裁はグアンタナモの軍事法廷は違憲であると判断をくだしました。

以上、アムネスティ国際事務局サイト
Murat Kurnaz has been released from Guantánamo! より
http://web.amnesty.org/pages/stoptorture-250806-goodnews-eng

アムネスティ日本配信
2006年9月2日

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