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中国:オリンピックまで秒読み-オリンピックの遺産を汚す人権侵害

2007年8月 6日
国・地域:中国
トピック:危機にある個人
「オリンピックまであと1年となった。中国政府は人権促進を約束したが、時間切れになりつつある。中国政府が今後1年で人権侵害をなくすための緊急措置をとらなければ、中国のイメージダウンとなり、北京オリンピックの遺産に汚点を残すことになるだろう」とアムネスティ・インターナショナルのアイリーン・カーン事務総長は述べた。

2008年の北京オリンピックを前に人権状況を改善するという中国の約束がどの程度履行されているかについてのアムネスティの最新の評価報告書で、北京を拠点として活動する人びとの一部が、未だに「自宅軟禁」や警察の厳しい監視を受けていることがわかった。オリンピックを前に、人びとの関心が北京に集中するにつれ、国内の別の地域の活動家たちが受ける人権侵害もひどくなっている。また、ジャーナリストへの弾圧も続き、中国社会と開発について取り扱う出版社が閉鎖される事態になっている。

「人権擁護活動家や国内メディアに対する弾圧が続き、死刑問題や外国メディアの取材といった分野での改革がなかなか進まない。オリンピックが中国の人権状況を改善する一助となるという約束が果たされていないばかりか、警察はオリンピックを口実に、より多くの人びとを裁判なしで拘禁している」とアイリーン・カーンは語った。

「労働による再教育」などの恣意的拘禁を抜本的に改善し廃止することは長年にわたる中国の改革課題であるが、2008年のオリンピック開催を前に、北京を「きれいにする」作戦の一部として、裁判なしの拘禁が引き続き行なわれている。アムネスティは最新の評価報告書の中でこのことについても指摘した。

先日、最高人民法院は、死刑についてはより透明性が必要であり、また死刑判決を言い渡す基準を統一すべきであるという声明を出した。報告書の中で、アムネスティはこの声明を歓迎し、さらに当局に対し、死刑に直面する人びとについての情報を、とくに弁護士や家族がより入手しやすくすること、死刑の判決と執行に関する完全な統計を公表することを求めた。

「中国は世界で有数の死刑執行国だが、死刑の適用については秘密に包まれたままである。誤判を防ぎ、人びとが死刑についてきちんと知った上で結論を出せるように、十分な情報を提供するためには、徹底的な透明性が不可欠である。死刑の適用に関する完全な統計を公表することで、この必要性は十分満たされる」とアイリーン・カーンは述べた。

アムネスティの評価報告書『China: The Olympics countdown - one year left to fulfil human rights promises』では、オリンピックに関連する4つの主要な人権分野(死刑、裁判なしの拘禁、人権擁護活動家、メディアの自由)に焦点をあてている。

最新の評価結果の主要部分は以下の通りである。

死刑
2007年1月1日以降、最高人民法院が死刑事件の見直しを再開したことで、死刑の適用は10パーセント減少したと政府は主張しているが、非暴力犯罪に対する死刑判決と執行は続いており、死刑に関する統計も未だに公表されていない。すべての裁判所でより透明性を高めるという政府の約束は実行されておらず、弁護人や家族は相変わらず死刑囚と面会できないし、死刑囚の置かれている状況も知らされない。地域によって死刑の適用基準が違うため、死刑判決は恣意的であることが多いということを、国は最近になって公式に認めた。

裁判なしの拘禁
オリンピックに先立って北京を「きれいにする」ために、裁判なしで人びとを拘禁することがますます増加している。この中には、「薬物中毒の強制的なリハビリ」や、「労働を通じての再教育」を適用できるような微罪の範囲を拡大するといったことも含まれる。

人権擁護活動家
北京以外の地域で人権擁護活動家に対する人権侵害が強まっている。居住の権利に関する活動家、陳小明は医療恩赦で釈放された直後の7月1日に上海で死亡した。陳小明が拘禁中に拷問を受けたという報告があった。

人権侵害の被害者のために活動する弁護士や法律アドバイザーらが標的となった。6月16日、盲目の法律アドバイザー、陳光誠が獄中で別の囚人に殴られたが、こうした事件もその一環である。囚人に陳光誠を殴るよう命令したのは刑務官だった。陳光誠は山東省で投獄されたが、その理由は、産児制限のために当局が地元の女性たちに強制中絶および不妊手術を受けさせたとして地元当局を告発しようとしたことだった。

オリンピック関連施設の建設計画によって住居を追われた人びとに対する関心を高めようとした活動家たちも標的となった。葉国柱もその一人で、昨年末には電気ショック棒で殴られたと伝えられている。

メディアの自由
国内メディアに対する弾圧が続き、ジャーナリストや作家は引き続き投獄され、メディアで働く人びとは強制解雇され、出版社は閉鎖されている。

インターネットは幅広く検閲されウェブサイトが閉鎖されたりしている。最近、厦門では、インターネットユーザーの登録を本名にすることを義務付ける新法に反対する人びとを弾圧する動きがあった。

アムネスティは最新の評価報告書を中国当局と国際オリンピック委員会(IOC)に送り、これらは北京でのオリンピック開催およびオリンピック憲章の根本原則に直接関係がある問題であると指摘した。

「中国で深刻な人権侵害が続いていることは、『人間の尊厳保持』や『普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重』などのオリンピック憲章の根本原則を傷つけることである。IOCは、人権の尊重と法の支配に基づいて、オリンピックの正の遺産を奨励すべきだ。北京オリンピックまであとちょうど1年、時間がない。中国が人権を尊重しなければ、オリンピックに取り返しのつかない汚点をつけることになる。中国当局は、人権状況を改善するという約束を実行し、2008年8月に中国の人びとがあらゆる意味で自国を誇りに思うようにすべきである」とアイリーン・カーンは述べた。

報告書の全文はこちら(英文)
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGASA170242007?open&of=ENG-CHN

AI Index: ASA 17/037/2007
2007年8月6日

 

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