- 2026年2月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:表現の自由

2月9日、香港の民主活動家の黎智英(ジミー・ライ)さんが「国家安全」関連の罪で懲役20年を言い渡された。
この判決は、香港が法の支配による都市から、恐怖による支配の都市へと変貌する過程での、新たな恐ろしい段階を表す。権利を行使しただけで78歳の男性を投獄することは、人間の尊厳など歯牙にもかけない姿勢を浮き彫りにする。彼が檻の中で過ごす一日一日が、重大な不正義だ。
また香港国家安全維持法(国安法)が、基本的自由を犯罪行為にすりかえるために使われているかを、あらためて示すものでもある。黎さんの投獄は表現の自由に対する冷酷な攻撃であり、かつて香港を特徴づけた権利が体系的に解体されている事態を象徴している。
黎さんは、1日たりとも収監されるべきではない。香港当局は直ちに無条件で彼を釈放しなければならない。
背景情報
香港高等法院(高裁)は2月9日、民主活動家の黎智英さんに対し、外国勢力との共謀罪および反乱扇動の共謀罪で、懲役20年を言い渡した。この判決は2025年12月の有罪判決を受けたものだ。
黎さんは2020年12月11日、中国政府が制定した国家安全維持法(国安法)に基づく「外国または外部勢力との共謀罪」で起訴された。その後、「外国または外部勢力との共謀」の罪でさらに2件、犯罪条例に基づく「反逆的出版物の発行を共謀した」罪で1件の起訴を受けた。2020年12月31日以降、拘禁され続けている。
香港当局は、これらの起訴は黎さんがオーナーの「リンゴ日報」に掲載された、外国に中国・香港政府への制裁を科すよう訴えた記事に関連していると説明した。当局はさらに、黎さんが米国政治家と会談したこと、海外メディアの取材に応じたこと、ツイッター(現X)への投稿内容、フォロワーに香港の民主化運動を支持する著名な外国政治家やNGOなどがいることを根拠として挙げた。
英国籍の黎さんは、2021年2月に香港最高裁が国安法事件は「保釈の推定」(裁判所は保釈請求を原則認めるべき)の例外と裁定したため、保釈が認められなかった。アムネスティが2025年6月に発表した調査によれば、国家安全関連事案の89%で同様の措置が取られていた。香港政府は黎さんの弁護士である英国人のティモシー・オーウェンさんの弁護活動も禁止した。
黎さんは1995年、批判的な報道で知られる「リンゴ日報」を創刊した。2020年6月30日の国安法施行後ほどなくして、約200人の警察官が同紙本社を家宅捜索した。メディア施設が同法のもとで捜索されたのはこれが初めてで、黎さんは2人の息子と複数の幹部と共に逮捕された。
「リンゴ日報」は2021年6月、警察による再捜索と資産凍結を受けて廃刊となった。アムネスティは当時これを「報道の自由に対する露骨な攻撃」と非難した。
今回の判決に先立ち、香港の裁判所は「無許可集会」や詐欺に関連する4件の別事件で黎さんを有罪とし、合計7年以上の懲役刑を言い渡していた。
2024年、アムネスティは人権弁護士の鄒幸彤(チョウ・ハン・トン)さん、丁家喜(ディン・ジャシ)さんと共に、黎さんを良心の囚人として認定した。
※良心の囚人:アムネスティは、良心に基づく信念、信仰や人種、性的指向などを理由に、不当に拘束されている人たちを「良心の囚人」と認定し、釈放を求めて活動している。
アムネスティ国際ニュース
2026年2月9日
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