中国:香港:天安門活動家の裁判開始 歴史の記憶を葬り去る試み

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2026年1月27日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:表現の自由

1月22日、1989年の天安門事件の犠牲者の追悼活動で起訴された香港活動家の裁判が始まった。この起訴は、当局が国家安全保障に関する法律を武器に、異論を強硬に封殺しようとしていることを示す。

弁護士の鄒幸彤(チョウ・ハン・トン)さんと労働組合活動家の李卓人(リー・チャクヤン)さんは、2021年9月、香港国家安全維持法(国安法)に基づき「国家権力転覆扇動罪」で起訴された。それ以来、保釈が繰り返し却下され、裁判前勾留の状態が続いている。有罪となれば最大10年の禁錮刑を科されるおそれがある。

鄒さんと李さんは、起訴当時、今は解散した香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)の幹部だった。他にも同じ罪に問われているメンバーがいる。支連会は、人権弾圧の中で禁止されるまで30年以上にわたり、毎年、天安門広場でロウソクを灯して犠牲者を追悼する集会を主催していた。

1989年6月4日、北京の天安門広場とその周辺で中国軍が抗議者に向けて発砲し、数百人、あるいは数千人に及ぶ死者が出た。

この訴追は、国家安全保障に関するものではない。歴史を書き換え、天安門事件の犠牲者を忘れることを拒む者たちを罰するものだ。鄒さんと李さんの「罪」は、中国軍に射殺された抗議者と悲嘆に暮れる遺族のために真実と正義を求め続けたことだ。今回の件は、香港政府があいまいで過度に広範な国家安全保障関連法を弾圧の道具として利用している実態を、如実に示している。

当局は、支連会が1990年から毎年主催してきた天安門事件追悼集会が、「国家の安全を脅かす」証拠だと主張している。

アムネスティは、2020年6月に施行された国安法が、市民社会団体、ジャーナリスト、政治活動家、学者を標的にするために利用されていると繰り返し懸念を表明している。彼らの活動は、国際人権法で完全に保障されているが、そのために標的にされているのだ。

鄒さんと李さんは、表現の自由の権利、平和的集会・結社の自由の権利を行使しただけで拘禁されている。香港当局は2人を直ちに無条件で釈放し、他の支連会メンバー含め、彼らに対する起訴をすべて取り下げるべきだ。そして、国安法を廃止し、天安門事件の平和的追悼を尊重し促進しなければならない。

歴史を消し去ることはできない。香港の裁判所は今、人権を守るのか、それとも異論の声に対する大規模な弾圧に司法の正当性を与え続けるのか、重大な岐路に立っている。

背景情報

1989年6月4日、北京の天安門広場とその周辺で政治改革を求めて平和的に抗議していた学生や労働者に対し、中国軍が発砲した。数百人、おそらく数千人が死亡した。その後の弾圧により中国全土でさらに数万人が逮捕された。

弾圧から36年が経過した現在も、中国では事件に関するあらゆる議論が厳しく検閲され、当局は事実上、歴史から消し去ろうとしている。天安門事件の公的な追悼や言及さえも禁止されている。

中国本土では天安門事件の追悼が禁じられる一方、香港のビクトリア公園では毎年数十万人の群衆が集まり、犠牲者を追悼してきた。彼らは中国当局に対し、事件の真相を明らかにし、この残虐行為に対する責任を果たすようよう求めた。

香港での追悼集会は2020年と2021年、表向きは新型コロナウイルス感染症を理由に禁止された。その後、2020年の国案法などの抑圧的な新法が施行され、香港における平和的抗議活動は事実上犯罪化された。

アムネスティ国際ニュース
2026年1月22日

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