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エジプト:イスラエル国境で拘束中の人びとの権利の保護を

2007年8月15日
国・地域:エジプト
トピック:難民と移民
イスラエルとの国境において拘束されている人びとの人権を保護するようエジプト政府にアムネスティ・インターナショナルは要請する。拘束されている人びとには、難民、庇護希望者、移民などが含まれる。またアムネスティは同政府に対し、ここ数週間に少なくとも3人のスーダン人の難民または庇護希望者が殺害された事件について、詳細かつ独立した公平な調査を行い、その調査結果を公表するよう求める。

この要請はエジプト当局の出した声明に続いて発表されたものであるが、エジプト当局の声明は、イスラエルとの国境の不法侵入に対処する政府の取り組みに関するものだった。この声明は2007年8月11日に外務省から発表されたものであるが、その中では、国境での難民と庇護希望者の殺害事件に関してエジプト当局が何らかの調査に取りかかったのかどうかも、また国境の治安部隊が銃器の使用を指示されていたのかという詳しい状況も述べられていない。

問題となっている殺人が起こったのは2007年8月1日と2日の夜で、スーダン出身と思われる男性2人がイスラエルへ国境を越えようとしたとした際に、エジプトの治安部隊に銃撃されたという。また同じ夜に、別の2人の男性が治安部隊に拘束され暴行を受けたともいう。エジプトの治安部隊幹部は銃撃があったことを公式には認めていない。しかし8月2日に2人の男性がエジプトの国境警備隊に拘束され、そのうち1人が重傷を負っていることは認めている。

この数週間、イスラエルとの国境付近で、エジプト治安部隊による過剰な武力行使が増加している。2007年7月22日にスーダン人女性1人が死亡したが、この女性はイスラエルとの国境を越えようとしてエジプトの治安部隊に銃撃されたとみられている。この銃撃により、11歳の少女とコートジボワール出身の女性を含む他のスーダン人も負傷した。さらに、2007年8月8日には、ラファフの国境検問所から約20kmのエルータワヤル村付近で、30歳のスーダン人難民が手足を縛られ、体中アザや傷だらけの状態で発見された。

国家は国境で権力を行使しその領域への進入を規制する権利を持つが、そのためにとられるいかなる手段も、国際的に認められている人権法および人権基準と矛盾、またはそれらを侵害するものであってはならない。エジプト当局は、国境で拘束されるすべての人びとの基本的人権が確実に保護され尊重されるようにしなければならない。国連の「法執行官のための行動綱領」や「法執行官による力および火器の使用に関する基本原則」などの国際基準によれば、治安部隊は武器の使用に関し必要性と合理性の原則に則り、人命が危険にさらされており、かつ危険排除の手段が他にないときにのみ、銃器を使用するべきである。

群集整理に必要な訓練や人権を守る十分な訓練、また庇護希望者や難民や国際社会の保護を必要とするその他の人びとのニーズを特定する訓練を受けていない法執行官をエジプト政府が国境地域に配備し、そのために彼らの生命を危険にさらしていることをアムネスティは懸念する。

国連の「法執行官のための行動要領」を含む、警備活動を規定する国際基準を、国境警備隊に確実に遵守させるよう、アムネスティはエジプト当局に対し要請する。さらに彼らに基本的人権、特に、すべての個人の生命、身体、そして精神的な尊厳を保護する権利に関し十分な訓練を保証することを求める。

さらに、エジプトとイスラエルとの国境付近でのエジプト当局の強制捜査により、2007年7月だけで220人以上が逮捕されたと伝えられている。そのほとんどはスーダン人で、正規の許可なしに国境を越えようとしていた難民や庇護希望者、移民が含まれる。

集団追放の国際的な禁止を尊重し、追放が決定されるそれぞれのケースが個別に調査され決定されることを保証するよう、アムネスティはエジプト当局に要請する。

1951年の「難民の地位に関する条約」や、「拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱いまたは刑罰に関する条約」を含む国際法の下でのエジプトの責務に照らし、それぞれのケースにおいて、エジプト当局はその個人が深刻な人権侵害の危険にさらされる可能性のある国に強制的に送還されることがないようにしなければならない。公正で十分な難民審査の後に、国際的な保護の必要性がないと判断された個人を送還する場合には、必ずその前に各ケースの慎重な審査を行い、また退去命令への不服申し立てを含む十分な手続き上の保護措置をとらなければならない。

背景情報2007年5月、すべての移住労働者とその家族の権利に関する委員会がその調査報告の中で、エジプト政府に対し、移民の分野で働くすべての当局者、特に警察と国境警備隊に訓練を行うよう要請した。

毎年、難民、庇護希望者、移民を含む数千人の人びとが、エジプトからイスラエルへ国境を越えようとする。スーダンとエリトリアから来る人びとがその大半を占め、他にアフリカのサハラ以南から来た人びともいる。ここ数カ月間その人数は増加しており、イスラエル内務大臣メイール・シートリットによると、毎週約300人がイスラエル側に入国しようとしているという。

2005年12月に、カイロのUNHCR事務所の近くで3カ月にわたり平和裏に続けられていた座り込みデモを警察が手荒な方法で解散させ、難民、庇護希望者、移民を含む27人が死亡し、他にも負傷者が出た。警察は抗議行動参加者に高圧放水銃を発砲し、彼らに無差別に暴行を加えたと伝えられている。

12月までに抗議行動参加者の数は約2500人に増大し、彼らは生活状況の改善や、スーダンへの送還からの保護、欧州や北米への再定住を要請していた。2006年6月に、エジプトの検察官はこの殺害事件の責任の所在を特定することなく調査を終了した。

この調査報告の中で、移住労働者委員会はさらに、この殺害事件に関して、27人のスーダン人が殺害されるに至った経緯が解明されないままに調査が終了していることに関しても懸念を表明しており、エジプト当局に対し調査を再開するよう求めている。

AI Index: MDE 12/027/2007
2007年8月15日
 

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