- 2008年9月23日
- 国・地域:米国
- トピック:死刑廃止
アムネスティ米国支部の事務局長ラリー・コックスは次のように述べた。「理由はわからないが、チャタム郡の当局者は、十分な審理が尽くされる前に何としても執行してしまおうとしていたようだ。米連邦最高裁が慎重な姿勢を見せ執行を停止したことに感謝している。審理でこのケースが新鮮な目で見直され、デイビスの無実を示す証拠が初めて法廷で審理されることを望む」。
デイビスは、サバナの警官マーク・アレン・マクフェイルを殺害したとして1991年に有罪判決を受けた。当局は、凶器も、デイビスと犯行を結びつける物的証拠も提出していない。その上、当初9人いた証人のうち7人が、宣誓供述した証言を後に撤回あるいは変遷させている。2008年3月、ジョージア州最高裁はデイビスに有利な新たな証拠調べを4対3の僅差で却下した。9月12日、ジョージア州仮釈放委員会はデイビスの減刑申請を却下した。
アムネスティは2007年2月に報告書『私に正義はないのか? ジョージア州で死刑に直面しているトロイ・デイビスのケース』を発表し、デイビスの減刑を求める熱心なキャンペーンを行なってきた。これによって全米および全世界から20万を超える署名と手紙が集まった。これまでにローマ法王ベネディクト16世やデズモンド・ツツ大主教、ジミー・カーター元合衆国大統領などの世界的な著名人、ジョージア州内外の議員らが減刑嘆願に参加した。
アムネスティは、ノーベル賞を受賞した草の根運動組織で、150カ国以上の国に220万人を超えるサポーター・活動家・ボランティアを有し、世界中で人権のためのキャンペーンを行なっている。アムネスティは人権侵害を調査・公表し、人びとを啓蒙し活動への参加を促進し、いかなる場所においても正義・自由・真実・尊厳が否定されている人びとを守るために活動している。
アムネスティ発表国際ニュース
2008年9月23日
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