中国:強まる活動家への弾圧-法の原則を無視

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2009年4月30日
国・地域:中国
トピック:
中国当局は天安門広場での民主化運動20周年を前に、国中の人権活動家への弾圧を強化している。

アムネスティ・インターナショナルは、少なくとも100件の拘禁されたあるいは当局による暴力を受けている活動家の事例を記録している。これらの事例のいくつかは20周年を前にした活動家の監視に関係したものである。

2009年の最初の4カ月で、アムネスティ・インターナショナルは依頼人を弁護したために当局による暴力で脅迫された弁護士の事例少なくとも4件、弁護士が依頼人との面会や代理を務めることを妨害された事例少なくとも10件、そして弁護士が自らの職務を理由に拘禁された事例少なくとも1件を記録した。

「どちらかといえば、1989年の北京での民主化運動20周年が近づくにつれて人権活動家への弾圧は強められている」とアムネスティ・インターナショナルのアジア太平洋部副部長ロジーン・ライフは述べた。「最も憂慮すべきは、国内法が完全に無視されていることと職務を遂行しようとする弁護士に対する妨害である」

全国の活動家が土地の権利、住居の権利そして労働の権利を擁護したことにより、恣意的に拘禁され暴力を受けている。司法と政治の改革を求める請願書である「08憲章」に署名した人びとへの尋問が国中で行われ続けている。若い女性の署名者であり河南省の石油プラントで働く劉莎莎(Liu Shasha)は、街頭で憲章を印刷し配布したとして4日間拘禁された。

1989年の天安門での弾圧の際に銃で撃たれ負傷して障害が残った斉志勇(Qi Zhiyong)は、最近のテキストメッセージで記者に対し自分は警察によって拘禁されていたと伝えた。彼は以前、もし彼が北京オリンピック開始前に北京を離れなければ逮捕すると脅迫されていた。斉志勇の取り扱いと拘禁は、改革派指導者であった胡耀邦元総書記の死の20周年と関連していると考えられる。胡元総書記の死は、20年前の民主化運動のきっかけであった。

北京の弁護士である程海(Cheng Hai)と周鵬(Zhou Peng)は最近、警察と裁判所を調整する政府機関の人間だと名乗る少なくとも4人に襲撃された。襲撃された時、弁護士たちは依頼人の家族に会う途中であった。

同じ日に、別の2人の弁護士呉江涛(Wu Jiangtao)と李仁兵(Li Renbin) は、吉林省長春市北部に到着した際、彼らの依頼人である法輪功の被拘禁者魏成(Wei Cheng)の家族と会うことを妨害された。警察は魏の家族や親族を監視下に置き、もし彼らが弁護士を雇えば拘禁すると脅迫した。

四川省成都市に拠点を置く活動家の陳雲飛(Chen Yunfei)は、6時間尋問され、6月4日の記念日に活動家を組織しないようにと警告された。警察は2009年4月20日から彼の住居などを監視下に置いている。

「政府当局は、合法的な中国の人権問題への取り組みを行なおうという人びとへのこれらの嫌がらせを止めなければならない」とロジーン・ライフは述べた。「環境権、参加する権利、公正な裁判を受ける権利、公民権といった問題は、最近発表された国家人権行動計画ですべて再確認されている」

アムネスティ発表国際ニュース
2009年4月30日

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