中国:ウイグル人への死刑判決の停止を

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2009年12月 3日
国・地域:中国
トピック:死刑廃止
中国の最高人民法院は、中国北西部新疆ウイグル自治区(XUAR)の裁判所が3日、5人に対し下したとされる死刑判決を注意深く再審査しなければならない。

ウイグル人の抗議行動に対し警察が弾圧を加えたために起きた7月5日の死者を出した暴力事件に関連して、13人がウルムチの裁判所で判決を受けた。

そのうち5人が死刑、2人が終身刑とされた。

4日にはまた別の5件がこの騒乱に関連した件で裁判にかけられる予定である。

「私たちは明日裁かれる者たちが自ら選任した弁護人の同席を得て公正な裁判を受けること、死刑の対象とされないことを保証するよう裁判所に強く求める」と、アムネスティ・インターナショナルのアジア太平洋部副部長、ロジーン・ライフは述べた。

中国の政府筋によれば、7月の騒乱で約200人が死亡した。

7月の抗議行動は、中国南部広東省韶関市の玩具工場で起きた騒動の最中の、少なくとも2人(数十人の可能性もある)のウイグル人移住労働者の死に対し、当局が何の対応も取らなかったことに対し抗議していた。

11月にはこの騒乱に関して9人が処刑されている。

アムネスティはこの裁判が公開で行われず透明性にかけることを問題視しており、被告人たちが弁護人を選ぶ権利を否定されていると確信している。

北京の司法当局は、人権擁護派の弁護士たちに対しこの件を取り扱わないよう圧力を加えている。

7月の新疆ウイグル自治区での騒乱以降、当局は何千人もの人びとの身柄を拘束し、何十人もの人びとを裁判にかけ、騒乱に関わった者たちに厳しい判決を言い渡すことで脅しをかけている。

「先月の処刑は、中等裁判所からの判決後あまりにも早く執行されたため、最高人民法院がこれらの件について再審査したかどうか疑問を呼んでいる。アムネスティ・インターナショナルは全ての死刑に反対するが、これらの件における透明性と公正な裁判の欠如は度を越えてひどいものである」とライフは述べた。

中国当局は今回の暴力事件に対し独立した調査を行うことを一切認めていない。

インターネットの接続、国際電話、その他の新疆ウイグル自治区での通信手段は7月5日夜に遮断され今もそのままであり、7月の事件とその後に関する情報を得ることは非常に困難となっている。

中国の法律では、全ての死刑は中国最高人民法院によって再審査されなければならないことになっている。

アムネスティ発表国際ニュース
2009年12月3日

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