イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:イスラエルは人権擁護活動家への嫌がらせに終止符を

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2010年5月19日
国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
トピック:地域紛争
アムネスティ・インターナショナルは、ある人権活動家への嫌がらせをやめるよう、イスラエル当局に要請した。この人権活動家の一週間の拘禁はイスラエル当局によって本日延長された。

イスラエルのパレスチナ人市民であるアメール・マフールは5月6日、イスラエル治安部隊と警察によって、イスラエル北部のハイファにある自宅で早朝の手入れを受けて逮捕された。彼は「公表されていない証拠」を根拠として「外国人連絡員との接触」の罪で起訴されている。
 
「アメール・マフールは重要な人権擁護活動家で、イスラエルのパレスチナ人市民のための市民運動でよく知られている。彼が逮捕され拘禁され続けていることは、彼の人権活動を妨害するための単なる嫌がらせの様相を呈している。そうであるならば、私たちは彼を良心の囚人とみなし、即時無条件釈放を要請することになろう」と、アムネスティ・インターナショナルの中東・北アフリカ部副部長フィリップ・ルーサーは述べた。

アメール・マフールは拘禁中ずっと法的アドバイスを受けられないでいる。彼が拘禁されている監獄の医者はアメールの弁護士に対し、彼が頭痛に苦しんでいると伝えた。

逮捕された朝、アメール・マフールはペタ・ティクバ尋問センターに連行された。その日のうちに審問があり、6日間拘禁されることになった。本日、その期限が5月17日まで延長された。

アメールの妻、ジャナン・マフールによると、自宅への手入れの際、治安部隊は携帯電話、ラップトップ・コンピューター、カメラ、書類を押収したという。

同じ日の朝、アメール・マフールが勤務するハイファのイッティジャ協会の事務所にも、イスラエル治安部隊の隊員たちの手入れがあった。

アメール・マフールはすでに4月21日に、イスラエル内務大臣のエリ・イシャイによって2カ月間の渡航禁止となっている。内相はこのとき、アメール・マフールの出国は「国家の安全に深刻な脅威を与える」と述べている。

アメール・マフールは、4月22日にイスラエルを出ようとしたときに初めてこの渡航禁止措置を知った。彼はヨルダンで市民活動家たちとの一連の会合を始める予定だった。

4月下旬にアムネスティがアメール・マフールと話をした際、彼はこの渡航禁止がイスラエルのパレスチナ人市民の平和的政治活動に対する幅広い国家弾圧の一部であり、「安全保障上の問題」として正当化されている、という懸念を表した。

2009年1月、イスラエル中央選挙委員会は、現在イスラエル議会に3議席を有し、イスラエルが「全市民のための国家」になるよう求めている国民民主議会(NDA)および4議席を有する統一アラブリストが、イスラエルの総選挙に候補者を立てることを禁止した。その理由は、両党が「テロリズム」を支持し、「ユダヤ人の民主的国家としてのイスラエルの存在を理解していない」というものだった。

両党への委員会の禁止措置は、後にイスラエル高等裁判所によってくつがえされた。

4月24日にはNDAの活動家であるオマール・サイドがイスラエル当局によって拘禁された。

当初、アメール・マフールとオマール・サイドが拘禁勾留されていることを報じないようイスラエルの報道機関にかん口令が出されていた。

かん口令が解除された後の10日のイスラエルのメディアの報道は、両名の逮捕はスパイ行為ならびにレバノンのグループ「ヒズボラ」の外国人連絡員との接触という容疑に関連しているというものだった。

アメール・マフールは、1995年の創立以来、イスラエルのパレスチナ人コミュニティのために活動しているイッティジャの会長である。

彼はまたイスラエルのアラブ高等監督委員会内にある、政治的自由擁護のための人民委員会の議長でもある。

「アメール・マフールを訴追するための正真正銘の根拠があるとは考えにくいが、万が一訴追される場合、彼は明確な刑事上の罪で起訴され、公正な裁判の国際基準に十分沿って迅速に裁かれるべきである」とフィリップ・ルーサーは述べた。

アムネスティ発表国際ニュース
2010年5月12日