- 2014年1月30日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
実刑4年を言い渡された法学者で人権活動家の許志永さん(左) (C) Private
北京の裁判所は1月26日、法学者で人権活動家の許志永(Xu Zhiyong)さんに4年の実刑判決を言い渡した。予想の範囲内だったとはいえ、恥ずべき判決であり、茶番である。
許さんは、「新公民運動」を提唱し「腐敗を拒み、社会のために行動し、集会での政治的議論を通して市民生活に関わり、弱者を支援し、組織的な活動を行うための団結」を呼びかけてきた。
そして昨年7月、公共秩序かく乱罪で拘束された。
習近平国家主席も就任以来、腐敗を取り締まることを宣言している。この方針と「腐敗をなくそう」という許さんの呼びかけとは、一見、呼応する。
しかし、当局は法の支配より自由な意見の弾圧を、またしても選んだ。今回の判決は、中国政府が掲げている腐敗対策が、単なるポーズにすぎないことを証明しただけである。
また判決は、深刻な問題を浮き彫りにした。習近平体制の中国共産党は、政治のすべての過程で独裁を徹底し、いかなる発言も容赦しないということである。新公民運動に関わった人たちの取り締まりは、世を変えようとする動きを、党首脳部がいかに恐れているかを物語る。
腐敗を暴き、説明責任を求めるという運動は、妥当である。許志永さんは良心の囚人であり、ただちに無条件で釈放されるべきである。
背景情報
中国の人権擁護団体「チャイニーズ・ヒューマンライツ・ディフェンダーズ」によれば、12月の時点で、65人以上の新公民運動の活動家が、逮捕・拘禁、もしくは「強制的失踪」の状態にあると思われる。
審理前の聴聞で、許さんの弁護士は他の新公民運動の被告たちとともに裁くことを要求したが、裁判官はこれを拒否した。裁判官は事実の全容が知られるのを恐れ、合同での裁判を拒否したと言える。活動家たちが直面する不正義のもう一つの例だ。
先週、新公民運動に関係したもう2人の活動家の裁判もあった。27日には、さらに4人が裁判にかけられた。
アムネスティ国際ニュース
2014年1月26日
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