- 2014年6月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:エジプト
- トピック:
何十人という民間人が軍に拘禁され拷問を受けている。(C)Amnesty International
アムネスティ・インターナショナルは衝撃の新証言を入手した。エジプトで何十人もの民間人が強制失踪させられたうえ、数カ月にもわたり軍のキャンプにある秘密の拘置所に拘束され、自白を引き出すために拷問や虐待を受けてきたというのだ。
弁護士や活動家らは、北東130キロにあるアル・ガラー軍キャンプ内の刑務所に秘密裏に拘禁されているらしい、少なくとも30人の名前を把握している。元被拘禁者たちの証言では、おそらく400人近くが3階建ての監房棟に拘禁されている可能性があるという。彼らは起訴も送検もされておらず、弁護士や家族に連絡することも許されていない。
当局は、同キャンプなどに収容した人びとの家族や弁護士に、収容の事実を通知しなければならない。そして、医師による診察や弁護士、家族との連絡・面会を直ちに認めるべきである。
アムネスティは、釈放直後の元被拘禁者たちに面会した。彼らの話では、軍刑務所での尋問中に、電気ショックや熱したものを押し付けられるなど凄惨な拷問を受けていたという。
弁護士や活動家たちの話では、昨年11月以来、強制失踪者数は増加してきた。秘密裏に拘禁された人びとは、拷問の末に「自白」すると、国の治安検察に送検されることになる。密かに数カ月間も拘禁され、その間に拷問を受けて「自白」をする例もいくつかあるようだ。
軍刑務所の囚人など治安当局に捕えられた人びとの弁護士たちによると、当局のやり方はいつも同じで、一般市民を路上や自宅で拉致し、軍刑務所に連行するそうだ。刑務所内では、弁護士や家族と連絡がとれない。当局は、拘禁者の存在を否定している。
被告人は犯行を「自白」させられるか、「共犯者」の名を強制的に言わされる。釈放されて拷問から逃れるため、送検後に「自白」に同意する被拘禁者もいる。弁護士は尋問に立ち会えず、またその日時を知らされることもない。
当局は、これ以上の拷問や虐待を人びとに与えてはならない。また明白な犯罪の容疑で直ちに起訴し、公正な裁判を行うのでなければ、釈放するべきである。そして、拷問や虐待の疑いがあるすべての申し立てについて、公平で独立した調査を行ない、行為に加担した者を全員、裁かねばならない。
アムネスティ国際ニュース
2014年5月22日
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