- 2014年6月26日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:死刑廃止
家庭内暴力に耐えかねて夫を殺害した李彦さんの死刑判決が差し戻された。(C)Private
中国の最高人民法院は、家庭内暴力に耐えかねて夫を殺害した女性に対する死刑判決を差し戻す決定を下した。
李彦(Li Yan)さんは2010年末に夫を殺害した罪で、2011年8月、死刑判決を言い渡された。李彦さんの兄弟は、最高人民法院が今年5月、再審のため四川省高級人民法院にこの件を差し戻していたという知らせを受けた。
司法の役割は、李彦さんを処刑することではない。最高人民法院の決定は妥当であり、重要な意義がある。
この決定は、女性を暴力から守るために当局が取り組むべき課題が山積していることを示唆している。
李彦さんに対する家庭内暴力は、2009年初め、結婚して間もなく始まった。凶暴な夫は、妻を頻繁に殴打した。火のついた煙草を顔に押しつけ、厳しい冬に薄着のまま長時間ベランダに閉め出し、手の指を1本切り落とした。
李さんは、警察など関係当局に何度か保護を求めた。警察は殴打のあとが残る李さんの顔写真を撮ったものの、何の捜査もしなかった。
当局には、暴力の申し立てを適切に捜査し、暴力を働いた者を起訴する役割がある。もし当局が、国際法の定めるところにより李さんを保護していたら、悲劇的な結末は回避できたはずだ。
再審理は李さんが日常的に暴力を受けていたことを充分考慮する必要がある。二審までの裁判はそれを看過してきた。
再審では、裁判所は死刑判決を課してはならない。
アムネスティは、犯罪の性格や犯罪者の特質、処刑方法にかかわらず、例外なくすべての死刑に反対する。
アムネスティ国際ニュース
2014年6月24日
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