- 2014年8月 1日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:死刑廃止
7月23日死刑を執行されたジョセフ・ウッド元死刑囚 (C)EPA/Arizona Department of Correction
アリゾナ州で7月23日、死刑の執行に時間がかかる事態が発生した。
米国で予定通りに運ばなかった死刑執行は、今年だけでも少なくとも3回あった。
これらの事態は、死刑そのものの廃止を突き付けている。
元恋人とその父親の殺害で有罪となったジョセフ・ウッド死刑囚の執行は、7月23日の午後1時52分に始まった。
執行がなかなか終わらなかったため、弁護士は、生きている間に執行を停止させようと、連邦裁判所に緊急申し立てをしたほどだった。午後3時49分ごろ、ようやく死亡が確認されたが、裁判官の判断は間に合わなかった。 裁判官は、州に対して、遺体は物証として完全に保存しておくことを命じた。
ブリューワー州知事は声明を出し、死刑執行が合法であることを強調する一方、死刑囚が苦しまなかったことを示唆した。しかし、なぜ執行にそんな時間を要したのかの調査を命じた。
死刑執行が計画通り行こうが行くまいが、国家が囚人を殺すことは、人権の基本原則に相いれない刑罰であることに変わりはない。
近年、死刑を行っている州では、致死注射用薬物の入手が難しくなっており、執行を継続するために、怪しげな供給先と秘密裏の取引をしている。
米国の死刑は、恣意性、差別、誤りに満ちている。
当局が死刑を廃止するまでに、当局が意図する「人道的な死刑執行」は虚構であることを何度訴えなければならないのだろうか。アムネスティは、「人道的な死刑執行」などというものがないし、死刑の残酷さは刑場だけでの問題ではないと考えている。
人を何年も何十年も捕まえて死の恐怖にさらしておくのは、刑事司法や人権に対して進歩的な国家のやることではない。
アムネスティ国際ニュース
2014年7月24日
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