ベトナム：警察が市民運動を弾圧

2014年8月30日

[国際事務局発表ニュース]

国・地域：ベトナム

トピック：

ブイ・チー・ミン・ハンさんは反中国を唱える著名な活動家だ。(C)AFP/Getty Images

ドンタップ省人民裁判所は、女性人権擁護家のブイ・チー・ミン・ハンさんとグエン・チー・チュイ・クインさん、共同被告人のグエン・ヴァン・ミンさんに対し、「社会秩序を乱した」として2年から3年の禁錮刑を言い渡した。

裁判所には、それぞれの家族に加え、支援者、ブロガーなど多くの市民活動家が3人を支援するために集まっていた。それに対して警察は、傍聴を妨害するために嫌がらせや暴行を加え、不当に逮捕をしたのである。

近年ベトナムでは、平和的な活動家や人権擁護家に対する弾圧が強まっている。今回のドンタップ省での判決と事件もまた、そうした側面が露となった一例だ。

3人は2月、元良心の囚人の弁護士で活動家のグエン・バク・チュエンさんを訪ねるため、彼の婚約者宅に向かっていたところを、警察の急襲を受け逮捕された。

ベトナム当局は、警察の統率を強化し、活動家やその家族、支援者に対する弾圧をやめなければならない。また、平和的活動をしただけで投獄されている人びとを全員、ただちに無条件で釈放するべきである。

背景情報

ブイ・チー・ミン・ハンさんは名の知られた活動家で、平和的な反中国デモに参加したり他の活動家の裁判に出席してきた。今年2月に逮捕・拘束されてからハンストを複数回行い、体調を崩している。
グエン・ヴァン・ミンさんは、ホアハオ仏教教会のメンバーで、信教の自由のために活動している。
グエン・チー・チュイ・クインさんも、反中国デモや民主化を求める活動に参加している。

アムネスティ国際ニュース
2014年8月26日