- 2014年10月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
民主派デモ隊と反デモ派の衝突現場(旺角)
10月3日夜、香港の旺角(モッコック)や銅鑼湾(コーズウェイベイ)で、民主派のデモ隊と反デモ派の衝突があった。
数百人の民主派のデモ隊は、デモに反発する人びとから暴行を受けたが、警察は抑えることができなかった。被害者には女性や少女も含まれ、性的な暴行、嫌がらせを受けたり、怒声を浴びせられたりした。
暴力から市民を守ることが警察の職務であるにもかかわらず、殴り合いを抑え切れなかったのは、情けない。
アムネスティは、女性たちが暴行や脅しを受けるのを目の当たりにした目撃者数名から話を聞いた。
1人の女性は、自らも被害を受けていた。「午後4時頃、男が私の胸をわしづかみにしてきたの。同じ男が、別の女性2人の股下を触っていたわ。数人の警官が見ていたけど、何もしなかった。デモ仲間の男性らが割って入って、それ以上手を出させないようにしたけど」
いさかいが始まって数時間が経ち、一触即発の状態になり、ようやく警察は抑え込みを強化した。しかし、その時点での収束は容易ではなかった。
警察が反デモ派の態度を単に甘く見たのか、そもそも介入しないと決めていたのかは、定かではない。
当局は、平和的なデモに参加する者を暴力から守る義務がある。また、デモ隊の表現と集会の自由の権利行使を認めるのは、当然である。
国際基準では、一部の反デモ派が違法な、時に暴力的な行為に出たとしても、平和的な集会は違法にはならない。
昨日は午後に入り、デモ一帯の空気はますます張りつめていて、警察は事態の収拾に苦労しているようであった。喧嘩やいさかいなど見苦しい光景があちこちに拡大しているにもかかわらず、当初の数時間、警察の動員数が不十分だったという意見もあった。
警察は数人を逮捕したが、反デモ派の勢いには焼け石に水のようだった。
この1週間、警察は大規模な警備体制を敷いてきた。しかし、今回の失態で、不安定な状況がさらに悪化する危険性がある。
アムネスティ国際ニュース
2014年10月3日
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