中国:中国がネットの世界基準を画策 自由の危機

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2014年11月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:

ウェブサイトに現われたアクセス拒否のメッセージ(北京)(C)STF/AFP/Getty Images
ウェブサイトに現われたアクセス拒否のメッセージ(北京)(C)STF/AFP/Getty Images

中国政府は今、世界のサイバー空間への影響力を強化しようとしている。これにより、インターネットの自由が日常的に脅かされる可能性が、さらに高まっている。

世界インターネット会議は、11月19日から21日まで浙江省東部で開かれ、中国の上級幹部と世界のインターネット業界のリーダーが将来を話し合った。多くの専門家は、中国がネットの世界基準に関して発言力を強めようとする取り組みの一端だと考えている。

世界のいたるところで、インターネットの自由は当局に侵害されている。今や中国は、自国のネット規則を世界標準のモデルとして宣伝することに躍起になっているようだ。 これでは、ネット上の自由に価値を置くすべての人びとの背筋が寒くなるというものだ。

中国のインターネットは、極端な統制と抑圧である。当局の検閲グループは、ネットで表現の自由を行使したというだけで、多くの活動家を投獄している。

習主席が権力を握って以来、何百人もが、インターネット上の意見で拘束されてきた。 政府当局は、依然として刑法を乱用して表現の自由を抑圧し、ネット検閲の網にかかった活動家を拘束し投獄してきた。

政府の透明性を高め、汚職の摘発を目的に活動する市民活動家のゆるやかなネットワーク「新公民運動」のメンバーの多くも、ネットに写真や意見を投稿して逮捕されてきた。

9月には、著名なウイグル人学者で、ウイグル・オンラインを開設したイルハム・トフティさんは、「国家分裂罪」で終身刑を宣告された。 サイトの複数の記事が容疑の「証拠」となった。

当局は、依然として、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターなどの何千というサイトの接続を遮断している。 国際的ニュースサイトのBBCやニューヨークタイムズの閲覧も禁止されている。

ソーシャルメディア上の多くの表現が検閲し削除され、1989年の天安門事件や現在行われている香港の民主派の抗議行動などの情報は見られない。

情報アクセスに革命を起こし、透明性と説明責任を促進するインターネットは、人権の推進に非常に重要であることがわかっている。

にもかかわらずネットの自由は、世界のいたるところで当局により侵害されている。各国の当局は、ウェブ技術を駆使して表現の自由を弾圧し、人権侵害に関する情報を検閲し、しばしば企業と提携して治安という名目で無差別大量監視を行っている。

米国と英国の政府は、世界的な規模でプライバシーを侵害する国家安全保障局(NSA)と政府通信本部(GCHQ)が手がけるプログラムで無差別かつ大量に監視し、ネットの自由を妨げてきた。

英国やドイツ、イタリアなど西欧の企業が、人権に関わる活動家やブロガー、ジャーナリストのパソコンにアクセスできるソフトを当局に提供し、当局が標的とする個人の迫害を許してきた。

アムネスティ国際ニュース
2014年11月18日

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