中国:香港の抗議行動を刺激するだけの過剰取締はやめよ

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2014年12月 1日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:

11月26日、香港の機動隊は旺角で彌敦道を占拠する民主派抗議者たちの排除を始めた。(C)Lucas Schifres/Getty Images
11月26日、香港の機動隊は旺角で彌敦道を占拠する民主派抗議者たちの排除を始めた。(C)Lucas Schifres/Getty Images

この週末から、香港では再び数千の抗議行動の人たちが街頭に繰り出している。治安当局は、警官らが決して恣意的で過剰な力を行使しないよう、徹底しなければならない。

先日、治安当局が旺角(モンコック)の抗議行動の人たちを排除する際には、デモ参加者や見物人、新聞記者に対する容認できない暴力行為が見られた。

暴力的な対応は、人びとの表現の自由や集会の自由の権利を侵害する。 緊迫した状況に油を注ぐ結果になってしまう。

曾偉雄(Andy Tsang)警察署長は、この部下らの過剰な力の行使を見逃すことなく直視すべきである。 すべての警官に対して、人権を侵害する行為には、その責任を問われることをはっきりと言っておく必要がある。

この25日(火)には、違法集会や警官への妨害、法廷侮辱などの容疑で159人以上が逮捕された。

26日(水)には旺角で、抗議学生の幹部の2人、黃之鋒(Joshua Wong)さんと岑敖暉(Lester Shum)さんは、無抵抗にもかかわらず、暴行を受けながら逮捕された。 翌日保釈された2人は、そう語った。

アムネスティの監視団は26日(水)の夜から翌日にかけて、警官が見物人らをこん棒で叩いている様子を目撃した。 地元紙蘋果日報(Apple Daily)と明報新聞(Mingpao)のウエッブサイトには、同様の光景を撮影した動画が掲載されていた。 後に、見物人を殴打するところを撮影されていた警官1人が、デモ排除業務から外された。

フェースブックの動画では、掃討作戦中、警官が他の警官が身につけている認識証を外しているところが映っていた。 国際基準では、警官は常にその身分が分かるようにしておかなければならないとされている。 また警察は、デモ隊が逮捕されるところを報道しようとするメディアを阻止する場面もあった。

27日(木)には、蘋果日報のカメラマン、王俊龍(Wong Chun-lung)さんが警官に暴行したとして逮捕された。 翌日釈放されたカメラマンは、単に撮影していただけだと語った。

そこには、法の外で行動する警官の姿があったが、あくまでも当局は法に従って行動する必要がある。

去る10月15日、民主派活動家の曾健超(Ken Tsang)さんが警官の暴行を受けたが、地元のTV番組もその様子を撮影していた。この暴行に関して、警察は今週始め、容疑者として警官7人を逮捕したと発表した。

被害者が暴行を受けている証拠に基づくこの逮捕は、歓迎したい。 しかし、逮捕情報の開示も大事だが、警官の身分証の隠蔽や報道の妨害はさらに重大であり、至急対応すべき問題である。

アムネスティはこれからの数日間、警官隊に対していかなるときも自制をもって、民主派の抗議行動の人たちに対応することを強く求める。

アムネスティ国際ニュース
2014年11月28日

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