大韓民国:野党解党は表現の自由の制限

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2014年12月25日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:大韓民国
トピック:

韓国憲法裁判所は12月19日、統合進歩党を解党する決定を下した。(C)Jung Yeon-Je/Getty/AFP
韓国憲法裁判所は12月19日、統合進歩党を解党する決定を下した。(C)Jung Yeon-Je/Getty/AFP

韓国憲法裁判所が12月19日、野党を解党する決定を下した。この決定により、同国の表現の自由や結社の自由が制限を受ける可能性は大きい。

政府は統合進歩党が北朝鮮を支持しているとして、解散を求めて審判を請求していた。憲法裁の判断は、同党が自由民主的な基本秩序に反しているということだった。決定はさらに同党の国会議員の議員資格のはく奪を命じた。

今回の決定で、当局が表現の自由や結社の自由に対する義務を果たす意志があるのか甚だ疑わしくなる。

政党の解散はさまざまな影響を及ぼす可能性があり、最大限の配慮をもって行われなければならない。

憲法裁は政府の要請を受けて統合進歩党に対する審判に踏み切った。独裁政権が終わった1987年以降、政府が党の解党を求めるのは初めてだった。それ以前の解党は1958年だった。

今回の背景には、同国では最近、解釈が曖昧な国家保安法などの法令が、政府批判者、北朝鮮の支持者やそうみなされる者を抑圧する手段として適用されることが増えてきていることがある。政府は国家安全保障の名の下で、ますます野党を抑圧し、表現の自由を制限している。

国家保安法に違反し、内乱を企てた容疑で起訴された統合進歩党議員7名への最高裁判決が間もなく下される。

国家の安全保障を理由に個人が異なる政治的意見を述べることを否定するのは、決して許されてはならない。

アムネスティ国際ニュース
2014年12月19日

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