- 2015年5月 1日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:南アフリカ
- トピック:性的指向と性自認
レズビアンの活動家、ノコソロ・ノグワザさんが殺害されてから4年、アムネスティとバックストーリープロダクションは、南アフリカにおける同性愛嫌悪との闘いを描いたドキュメンタリー映画を公開する。
『アフリカの誇り』は、南アフリカの人びとがタウンシップ(旧非白人居住区)でのプライド・パレードや抗議行動を通じて同性愛への嫌悪を背景とする暴力やヘイトクライム(憎悪犯罪)に立ち向かう姿を映し出す。
アムネスティは、南アフリカで同性愛者や性同一性障害者、トランスジェンダーへの嫌悪や偏見を背景とした暴力犯罪の加害者を裁くためのヘイトクライム規制法の導入を求めてきた。
『アフリカの誇り』の監督であり、バックストーリープロダクションを経営するローラ・フレッチャーさんは、「映画では、死を悼む人や暴力を受けた被害者、その友人たちが、死者への正義や平等な生活、コミュニティで平穏に暮らす権利を求めて街頭でのデモに参加する姿を紹介します」と語った。
賞を獲得したこのドキュメンタリー作品は、ハウテン州クワ=テマや西ケープ州カエリチャを中心に、南アフリカ各所のタウンシップ(旧非白人居住区)で撮影された。クワ=テマは、24歳のレズビアンで2児の母親、活動家のノコソロ・ノグワザさんの生誕地である。2011年に起きた彼女の殺害事件は未解決のままだ。
このドキュメンタリー作品は、南アフリカのタウンシップでレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)の人びとが現在直面している暴力や差別問題を浮き彫りにしている。
南アフリカでの一般公開初日は4月24日、つまりノコソロ・ノグワザさんが殺害された日だった。4年が経過しても、彼女の殺害に対する警察の捜査には何の進展もない。
アムネスティは、市民団体のネットワーク、ヘイトクライム・ワーキンググループの一員として、警察がこのような犯罪をより効果的に捜査し、犯人を確実に裁くことができるようなヘイトクライム規制法の実現を求め、南アフリカ政府に対しロビー活動を行ってきた。
ヘイトクライムがもたらす人的犠牲がいかに大きいかを訴え、こうした犯罪に対する迅速かつ徹底した捜査の必要性を描いた力強い映画作品にアムネスティが関わることができたことは誇りである。人びとを行動に駆り立てる作品であり、南アフリカのヘイトクライムに正義を求めるすべての人が見るべき映画だ。
「『アフリカの誇り』は、世界中が共鳴する問題を扱った南アフリカの物語です。差別、たくましさ、愛と喪失の物語ですが、それ以上に、沈黙させられることを嫌う人びと、つまり諦めない人びとの物語です」とローラ・フレッチャーさんは語った。
アムネスティ国際ニュース
2015年4月22日
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