- 2015年6月 9日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ナイジェリア
- トピック:
ナイジェリアで拷問による自白に基づき不当な死刑判決を受けていた死刑囚が、アムネスティが世界中で精力的に行っている拷問廃止キャンペーンによって、恩赦を勝ち取った。
モーゼス・アカトゥグバさんは10年前、16才のときに携帯電話を盗んだ容疑で逮捕され、拷問で自白を強要され、そのために死刑判決を受けた。5月28日、デルタ州知事が全面的に恩赦を与えると発表し、モーゼスさんは歓喜の声をあげた。
今回の恩赦は、正義の勝利であり、力を結集した人権キャンペーンで何かを変えることができる、ということをあらためて認識させた。世界中の支援者からの何千もの手紙がなければ、恩赦は得られなかっただろう。
モーゼスさんは、アムネスティが展開している拷問廃止キャンペーンの対象ケースの1つである。世界で80万人以上が参加し、デルタ州のエマニュエル・ンデュアガン知事に、モーゼスさんの死刑を減刑するよう求めた。
モーゼスさんは次のように語った。「今回の恩赦を知り、言葉もない。勝利を導いてくれたアムネスティやその活動家の支援に感謝したい。みなさんは、私にとってヒーローだ。みなさんの努力を無駄にはしない。神から特別の恵みを胸に、みなさんの期待に応えていきたい。今後は、人のためになる人権活動家になることを約束します。また、州知事が約束を守ってくれたことに感謝したい」
昨年10月、アムネスティの多くの支援者からの減刑要請に対して、州知事は、「検討したい」と回答していた。そして、知事の退任前日、恩赦を与えた。退任当日にも、他3人の死刑囚を減刑している。
2005年、16歳で万引きをして逮捕された後、警察官からなたや警棒で繰り返し暴行を受けた。モーゼスさんは「縛られた上、何時間も吊り下げられ、手足の爪をペンチで剥がされた。そして、事前に準備された自白書にサインするよう強要された」と語った。
逮捕されたときは、まだ少年であった。国際人権法に基づけば、犯罪時に未成年の者に死刑判決を下してはならなかった。
また同国各州の知事は、同じように欠陥のある捜査の結果下された死刑を、すべて減刑すべきである。
アムネスティ国際ニュース
2015年5月29日
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