中国:中国の人権派弁護士弾圧についての要請

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2016年8月 3日
[公開書簡]
国・地域:中国
トピック:

2016年8月3日

外務大臣 岸田文雄 殿

公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 若林 秀樹

2015年7月9日、中国全土で弁護士および活動家が拘束されたり、嫌がらせを受けるなど大規模な弾圧が始まりました。アムネスティ・インターナショナル日本は、このような活動家への弾圧が現在まで続いていることついて日本政府が懸念を表明し、拘束されている活動家らを釈放し嫌がらせを受けることがないよう、中国政府に働きかけるよう要請します。

前代未聞の弾圧から約1年が経過した2016年6月8日までに、248人の中国の弁護士や活動家が弾圧の標的となっています。18人は正式に逮捕され、そのうちの14人は国家安全に関する罪に問われています。この弾圧は、中国政府が、正当な人権活動に対して国家安全に関する罪や「騒乱挑発」罪に関する規定をいまだに濫用していることを示しています。

弾圧の標的とされた王宇(Wang Yu)さん、謝陽(Xie Yang)さん、趙威(Zhao Wei)さんなどの弁護士や活動家は、人権を保護し、人権施策を推進するために中国でさまざまな行動を取ってきました。弁護士は、人権侵害の被害者たちを支援し法的手続きの代理人を務めるなど、国内において人権を実効的に保護するための重要な役割を担っています。人権派弁護士や活動家を処罰することは、司法へのアクセスや人権侵害の是正を実現することへの明白な脅威です。中国政府は、人権擁護活動を理由に拘束したり逮捕したりすべきではありません。

以上に鑑み、アムネスティ日本は、首相の中国訪問や人権対話をはじめとするあらゆる外交機会を通じて日本政府が以下を中国政府に働きかけるよう要請いたします。

  1. 国家安全に関する罪や「騒乱挑発」罪の容疑で正式に逮捕されたすべての弁護士および活動家を即時かつ無条件に釈放すること。
  2. 正式に逮捕されたすべての弁護士および活動家が定期的に制限なく弁護士や家族に連絡が取れることを保障し、拷問などの虐待から保護すること。

正式に逮捕された弁護士および活動家:

王宇(Wang Yu):弁護士。北京鋒鋭律師事務所
周世鋒(Zhou Shifeng):弁護士。北京鋒鋭律師事務所所長
王全璋(Wang Quanzhang):弁護士。北京鋒鋭律師事務所
包龍軍(Bao Longjun):王宇氏の夫。北京鋒鋭律師事務所
劉四新(Liu Sixin):元弁護士。北京鋒鋭律師事務所
李和平(Li Heping):弁護士。北京全球律師事務所
李春富(Li Chunfu):弁護士。李和平氏の弟。北京市藍鵬律师事務所
北京全球律師事務所。趙威(Zhao Wei):李和平氏のアシスタント。別名:考拉(Kao La)
謝燕益(Xie Yanyi):弁護士。北京凱泰律師事務所
謝陽(Xie Yang):弁護士。北京凱泰律師事務所
胡石根(Hu Shigen):活動家
劉永平(Liu Yongping):活動家
勾洪国(Gou Hongguo):活動家。別名:戈平(Ge Ping)
王芳(Wang Fang):経理責任者。北京鋒鋭律師事務所
尹旭安(Yin Xu'an):活動家
望云和尚(Monk Wangyun)(林斌(Lin Bin)):活動家
幸清賢(Xing Qingxian):活動家
唐志順(Tang Zhishun):活動家

※正式に逮捕された18人はアムネスティが2016年6月8日までに把握している数字です。

以上

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